
夜勤、長時間労働、人間関係、命を扱うプレッシャー…など心身への負担も大きい看護師。
看護師以外への転職を考えるのは珍しいことではありません。看護師以外で人気の職種のひとつに保健師があります。看護師資格を活かしつつ、心身への負担も軽減できる職種です。
しかし、保健師への転職を考えた時
- 具体的にどんな仕事をするのか
- どのように転職するのか
- どんなメリット・デメリットがあるのか
など、わからないことも多いのではないでしょうか。
この記事ではこれらの疑問を解決すべく、保健師の仕事内容や看護師からの転職方法について詳しく解説しています。保健師への転職を考えているなら、ぜひ参考にしてみてください。
目次
保健師の主な転職先は4つ!それぞれの仕事内容を紹介
保健師の主な転職先となるのは上記4つ。それぞれの仕事内容を紹介します。
医療機関の保健師
- 入院中の患者さんの退院支援
- 健康診断・保健指導
医療機関の保健師は、病院・クリニック・訪問看護ステーションなどで勤務します。代表的な仕事内容としては、上記2つ。
退院支援とは、患者さんが退院後も安心して暮らせるようサポートすること。入院中の患者さんやそのご家族と相談し、
- 退院後のプラン作成
- 各自治体の援助の紹介
- ケアマネージャーや医師などとの連携・調整
などを行います。
行政保健師
- 感染症の予防対策や啓蒙活動
- 精神疾患や難病の患者と家族への支援
- 母子の健康や家庭環境の相談・指導
- 健康や介護の相談・指導
行政保健師とは、国や都道府県が運営する施設で公務員として働く保健師のこと。保健所や市町村保健センターなどで勤務します。
主な仕事内容は、上記の通り。
保健所では、感染症対策や難病患者さんとご家族への支援などがあります。市町村保健センターでは、子育ての相談対応や、健康に関する講座やイベントの開催なども行います。
産業保健師
- 健康診断の企画・計画・調整・実施
- 従業員の生活改善の指導
- 労働環境の管理
- 掲示物や会議資料の作成
- ケガや体調不良への対応
産業保健師とは、企業に勤める保健師のこと。
従業員の健康維持のため、上記のような業務を行います。健康指導やメンタルケアなど従業員の健康をサポートすることが企業に貢献する保健師です。
学校保健師
- 体調不良やケガへの処置
- 病気・感染症予防の指導
- メンタルヘルスケア
学校保健師とは、学校に勤務する保健師のこと。学校の保健室に勤務し、生徒や教職員の心と体の健康維持をサポートします。
一般的に「保健室の先生」と呼ばれているのは養護教諭。学校保健師とはまた異なる職種となります。
養護教諭は「子どもの教育」の専門職。養護教諭一種免許もしくは二種免許が必要です。
看護師から保健師に転職するには保健師国家資格が必要
保健師になるには、看護師国家資格と保健師国家資格の両方が必要です。
なので、看護師から保健師に転職するには、新たに保健師国家資格を取得します。資格取得には、指定された養成所に1年通学することが必要です。
養成所修了後、国家試験を受験し合格すると、保健師として働けます。
上記の通り、保健師の国家試験を受験するには、看護師国家資格が必要です。
もし、看護師ではない人がイチから保健師を目指す場合、5年以上かかります。しかし、すでに看護師資格があれば1年ほどで保健師国家資格の取得が可能です。
看護師が保健師に転職するメリット・デメリット

看護師が保健師に転職するメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
看護師が保健師に転職する5つのメリット
- 基本的に土日休みで休暇も取りやすい
- 夜勤が無く、残業も少ない
- 人間関係で悩まされない
- 命に関わる事態が無く、精神的負担が少ない
- デスクワークが多く体力的な負担が少ない
まずは、上記5つのメリットについて詳しく紹介していきます。
メリット①基本的に土日休みで休暇も取りやすい
保健師は、基本的に暦通り。土日祝休みのことが多いです。また、夏休みや年末年始などの休暇も充実しています。
有給休暇も消化できるので、プライベートの時間もしっかり確保できます。
メリット②夜勤が無く、残業も少ない
保健師には、基本的に夜勤が無く、残業も少なめです。
夜勤や激務で体調を崩してしまうことも多い看護師。その点、保健師は身体への負担が少ないといえます。
メリット③人間関係で悩まされない
保健師は、人間関係であまり悩まされません。
看護師と違い保健師は人数が少ないです。産業保健師なら1人しか採用していない企業も多いです。
人数が少ない分、人間関係がこじれることは少ないといえます。
また、看護師のような激務でもありません。心にゆとりを持って働けることも良好な人間関係を保てる理由なのではないでしょうか。
メリット④命に関わる事態が無く、精神的負担が少ない
保健師は、命に関わる事態がありません。そのため、看護師よりもプレッシャーや精神的負担が少ないといえます。
メリット⑤デスクワークが多く体力的な負担が少ない
保健師は基本的にはデスクワーク。体力的な負担が少ないです。
立ち仕事で力のいる業務も多い看護師。保健師への転職は、体力的な負担が大幅に軽減できるといえます。
看護師が保健師に転職するデメリット
- 夜勤が無いため給与が下がる
- 平日休みが無くなる
- 同僚や先輩など、相談相手がいない
- デスクワークが合わないとツライ
- 求人が少ない
デメリット①夜勤が無いため給与が下がる
保健師は夜勤が無い分、給与ダウンは避けられません。
保健師の基本給は看護師と同じくらいか少し高いくらい。しかし、看護師で夜勤をしていた場合、手当が無い分大幅に給与が下がる可能性があります。
デメリット②平日休みが無くなる
保健師は、基本的に土日祝休み。そのため、平日休みが無くなります。
平日休みには、娯楽施設や旅行先などが空いているというメリットがあります。逆に暦通りの休みは、どこへ行くにも混み、旅行代金なども値上げします。
人によっては、土日祝の休みはデメリットに感じるかもしれません。
デメリット③同僚や先輩など、相談相手がいない
保健師は採用枠が少なく1人しか雇ってない場合も多いです。その場合、自分1人で考えて判断していかなくてはいけません。
看護師は同僚や先輩が多く、身近に相談相手がいます。
一方、保健師は相談相手が身近にいない場合も多いです。少人数であることがデメリットに感じてしまうかもしれません。
デメリット④デスクワークが合わないとツライ
基本的にデスクワークの保健師。人によっては、座りっぱなしのデスクワークが合わない場合もあります。
実際、デスクワークが合わず看護師に戻る人も少なくありません。
デメリット⑤求人が少ない
保健師は求人が少ないです。採用枠が多くないうえに、辞める人が少ないので、なかなか求人も出ません。人気の職種でもあるため、ライバルが多い求人でもあります。
保健師としての転職先を見つけるのは時間がかかると考えておきましょう。
看護師から保健師に転職するための4つのコツ
- 資格を取得する
- 保健師の知り合いに相談する
- 求人をマメにチェックする
- 転職エージェントに登録する
看護師から保健師に転職するためのコツとして上記4つを挙げました。
先ほど「看護師から転職するには、保健師国家資格が必要」とお伝えしましたが、実は看護師国家資格だけでもOKの場合もあります。
しかし、保健師は求人が少なくライバルも多い狭き門。
そのため、保健師国家資格があった方が断然有利といえます。また、プラスで産業カウンセラーや衛生管理者などの資格があると、より有利になるかもしれません。
保健師の求人を見つけるには、転職エージェントへの登録がおすすめです。保健師の求人が出たらすぐにお知らせ・応募の手配をしてもらえます。
また、保健師の求人は人気であるため「非公開求人」である可能性も高いです。
非公開求人とは、一般公開せず転職エージェントの登録者のみに紹介する求人のこと。エージェントに登録しておいた方が、転職できる可能性がアップするといえます。
看護師から保健師への転職におすすめのエージェント3選
マイナビ看護師 | 看護のお仕事 | ジョブメドレー | |
---|---|---|---|
![]() | ![]() | ![]() | |
公開求人数 | ![]() 約4万件 | ![]() 約15万件 | ![]() 約3万件 |
保健師の公開求人数 | ![]() 1000件以上 | ![]() 500件以上 | ![]() 300件以上 |
サポートの質 | ![]() 求人紹介 面接設定 選考対策 入職後サポート イベント充実 | ![]() 求人紹介 面接設定 選考対策 退職サポート 入職後サポート | ![]() 求人紹介 面接設定 内定辞退連絡代行 スカウト制度あり 祝い金制度あり |
対応の早さ | ![]() 平日9:30-20:00 土9:30-17:30 | ![]() 平日9:30-21:00 | ![]() 平日9:00‐18:00 |
信頼性 | ![]() 人材サービス最大手 マイナビが運営 | ![]() 12万件以上の 医療機関情報を網羅 | ![]() 医療介護求人の転職サイト として日本最大級 |
利用しやすさ | ![]() 全国22箇所に拠点があるから 地方でも利用しやすい | ![]() 求人数が豊富だから 希望に合った求人を見つけやすい | ![]() 登録しなくても応募可能で 気軽に利用しやすい |
保健師への転職におすすめの転職サービス3選をご紹介します。
マイナビ看護師
- 保健師の求人数が充実している
- 拠点数が豊富で各地域の求人情報や施設の内情を把握している
- 復職・ブランク明け向けの求人が充実
- 転職業界最大手「マイナビ」の運営だから、安心感がある
保健師の求人も充実しているマイナビ看護師を、最もおすすめの転職エージェントに選びました。
求人数だけではなく、利用しやすいこともおすすめの理由です。
マイナビ看護師は、拠点数が全国に22箇所と豊富です。各地域の求人情報や職場環境に詳しいので、都市部にも地方にも強いです。
転職サービス選びに悩んだら、とりあえずマイナビ看護師に相談してみることをおすすめします。
看護のお仕事
- 公開求人数が豊富で、非公開求人も充実
- 退職のサポートにも対応
- 入職後も定期的に連絡をくれるなど、アフターサポートも充実
看護のお仕事は求人数が業界トップクラス。公開求人数だけでも15万件以上あります。そのため、保健師の求人も充実しています。
また、看護のお仕事は、求人紹介から入職後までサポートが丁寧なことも特長です。
「退職サポート」「入職後の定期的な連絡」など、転職経験が少ない場合でも安心して利用できます。
詳細ページ 公式ページ
ジョブメドレー
- 応募先と直接やりとり可能だから、自分のペースで転職活動できる
- 施設側からのスカウト制度があるから、チャンスが広がる
- 転職成功したらお祝い金がもらえる
ジョブメドレーは、基本的に転職者が事業所に直接応募するしくみです。そのため、自分のペースで転職活動を進められます。
サポートが必要であればキャリアサポートスタッフへの相談も可能です。相談すれば、求人紹介や面接のセッティング、内定辞退などが受けられます。
また、プロフィールを見た病院・施設・企業からスカウトが来る制度もあります。スカウトにより、求人の幅が広がるかもしれません。
看護師から保健師への転職に関するQ&A
ここでは、看護師から保健師へ転職する際によくある質問とその回答を紹介していきます。
保健師から看護師へ戻ることは可能?
保健師から看護師に戻ることは可能です。実際、保健師から看護師に復帰する人も少なくありません。
もちろん、保健師をしていた期間はブランクとなります。
ブランクは短い方が有利かもしれません。しかし、10年以上のブランクがあっても復帰した人もいます。なので、復帰不可能ということはありません。
保健師からの復帰時は、病棟勤務よりクリニックや外来がおすすめです。保健師の経験も活かせて、比較的ゆったり働けます。
保健師の平均給与額は?
保健所勤務の行政保健師の場合、平均給与額は33.6万円。
ちなみに看護師の平均給与額は31.2万円。行政保健師の場合は、看護師と同じくらいか少し高いくらいといえます。
保健師の有効求人倍率は?
平成29年度の日本看護協会の調査によると、保健師の求人倍率は0.77倍。有効求人数が4,758件に対し、求職者数は6,152人でした。
ちなみに、同調査の看護師の求人倍率は2.69。
有効求人数が141,748件に対し、求職者数は52,618人。この結果からも、保健師は看護師に比べて狭き門であることが分かりますね。
看護師から保健師へ転職するなら転職エージェントに登録しよう
- 資格を取得する
- 保健師の知り合いに相談する
- 求人をマメにチェックする
- 転職エージェントに登録する
求人が少ない保健師への転職には、上記対策は必要不可です。中でも、転職エージェントに登録しておくことは最も効果的といえます。その理由は…
- 保健師の求人をHP掲載前にいち早く紹介してもらえる
- 履歴書や面接など選考対策が受けられる
- 条件交渉代行や面接同行などのサポートも受けられる
など。求人を見つけやすく、採用される確率をアップさせることも可能。さらに好条件での転職も期待できます。
保健師への転職を目指しているならぜひ転職エージェントへの登録を検討してみてください。
もう一度おすすめの転職エージェント3選を見る