
数多く存在する看護師の転職サービス。どこを選ぶべきか悩んだとき「祝い金があるところが良いんじゃない!?」と考える場合もあると思います。
しかし、祝い金に対しこんな疑問はありませんか?
- 祝い金って何か裏があるのでは…?
- 本当に誰でももらえるの…?
- 採用後すぐにもらえるんだよね…?
など。祝い金についてよくわかっていないことも多いのではないでしょうか。
そこで、祝い金のしくみや条件・注意点などを詳しくまとめてみました。
「祝い金について知りたい!」「転職サービス選びに悩んでる…」そんなときに役立つ内容となっています。ぜひチェックしてみてください。
目次
【あやしいお金?】看護師転職でもらえる祝い金のしくみや条件など徹底解説
祝い金とは、転職サービスを介して就職が決まった際にもらえるお金のこと。
祝い金を支給するのは、病院・施設ではなく転職サービスです。祝い金制度を採用している転職サービスを利用しないともらえません。
祝い金は転職サービスによって「転職支援金」「報奨金」などとも呼ばれます。
「祝い金って何か裏がありそう…」とあやしさを感じませんか?しかし、祝い金は「あやしいお金」ではありません。
かといって、祝い金のある転職サービスが必ずしもおすすめというわけでもありません。
その理由がわかるよう、ここでは祝い金の正体や目的、もらうときの注意点などをお伝えしていきます。
祝い金の正体は、病院・施設側からの紹介手数料
祝い金の正体は、紹介料。病院・施設から転職サービスに支払われる紹介料の一部を祝い金として転職者に還元しています。
転職サービスからの紹介で採用が決まると、病院・施設から紹介料が支払われます。その紹介料で転職サービスは成り立っています。
なので、転職者側は転職サービスを無料で利用できるのです。
ちなみに紹介料の相場は、採用された転職者の年収の20%ほど。例えば転職者の年収が500万円だった場合、転職サービスが受け取る紹介料は100万円前後ということです。
2019年の紹介料の平均額は、看護師1名あたり91.8万円※でした。※参考:医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査
なぜ祝い金制度を採用するのか?2つの理由
- 集客のため
- 転職者の早期退職を防止するため
転職サービスが祝い金制度を採用する理由に、上記2つが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。
祝い金を採用する理由①集客のため
祝い金を採用するひとつ目の理由が集客のためです。
数多く存在する看護師の転職サービス。転職する看護師に、自社サービスを選んでもらうのは容易なことではありません。
独自のアピールが必要です。祝い金はそのアピールのひとつ。
「うちなら転職先が見つかる上に、祝い金ももらえるよ!」と他社との違いを出し集客につなげています。
また、祝い金によって看護師の利用者数が増えれば、病院・施設側へのアピールにもなります。採用担当者は「利用者数が多い転職サービスほど、スムーズな採用が見込める」と考えるためです。
祝い金を採用する理由②転職者の早期退職を防止する
2つ目の理由は、転職者の早期退職を防止するためです。
祝い金の支給には、いくつか条件があります。そのひとつが「規定期間は勤務すること」です。規定期間は転職サービスによって異なり、入職後60日~半年間の間で設定されています。
もし規定期間内に退職した場合、祝い金は発生しません。なので、祝い金によって規定期間中の退職を抑止する効果が期待できます。
転職者が入職後すぐに退職してしまうと、転職サービスの不利益につながります。その不利益は2つ。
不利益①紹介料の返金が求められる
転職者が入職直後に退職した場合、転職サービスは紹介料を返金しなくてはいけません。
病院・施設が転職サービスに支払う紹介料は大金です。入職後早々に退職されては、大金が無駄になってしまいます。これではリスクが大きすぎて、転職サービスを利用する気になれません。
そこで多くの転職サービスでは、病院・施設側への補償として「紹介料の返金規定」を設けています。
転職者が規定期間内に自己都合で退職した場合、病院・施設は紹介料の返金請求ができます。
規定期間にバラつきはありますが、入職後90日~半年が多いです。返金額も、紹介料の一部~全額と幅があります。
不利益②病院・施設からのイメージ悪化
転職者が入職後すぐに退職すると、病院・施設からのイメージ悪化も懸念されます。
最悪の場合「あの転職サービスから紹介された看護師はすぐに辞めてしまう…」と医療界隈で悪評が広がってしまうかもしれません。
イメージを保つためにも、入職直後の退職は回避する必要があります。
祝い金をもらうときの3つの注意点
- 転職サービスを介した採用が絶対条件
- 入職後すぐには支給されない
- 支給金額は勤務形態で違いがある
祝い金をもらうための注意点3つを詳しくお伝えしていきます。
注意点①転職サービスを介した採用が絶対条件
祝い金をもらうには、転職サービスを介して採用されることが絶対条件です。
なので大前提として、祝い金がもらえる転職サービスへの会員登録が必要です。さらに、求人への応募も転職サービスを介して行わなくてはいけません。
例えば、下記のような場合は対象外になります。
- 転職サービスには登録。でも自力で見つけた求人に自分で応募し採用された場合
- 転職サービスから紹介された求人に、こっそり自分で応募して採用された場合
注意点②祝い金は入職後すぐには支給されない
「採用後すぐに祝い金がもらえる」と思っていませんか?しかし実は、すぐにはもらえません。
祝い金をもらうには「入職後〇日以上の継続勤務」が条件です。その規定期間は60日~半年ほど。規定期間の勤務が完了した時点で支給されます。
つまり、入職してから数か月間勤務しないと支給されないので注意が必要です。
支給日は下記のように複雑に設定されている場合もあるので、事前の確認が必要です。
→4/1入職の場合、支給は7/10
→4/15入職の場合、支給は8/10
注意点③祝い金の相場は勤務形態で異なる
管理職 | 3万円~35万円 |
常勤(夜勤あり) | 3万円~40万円 |
常勤(日勤のみ) | 2万円~20万円 |
非常勤 | 1万円~9万円 |
パート・バイト | 1万円~4万円 |
上の表は、看護師向け転職サービスの支給額をまとめたものです。
表の通り、祝い金の支給額は転職サービスごとに大きく異なるので、相場を伝えるのは難しいです。ただ、どの転職サービスにも共通しているのは、勤務形態によって金額が違ってくること。
さらに、師長など管理職の場合だと支給額がグンとアップすることもあります。
祝い金のアピールでよく使われるフレーズに「最大○○万円」があります。この最大金額をもらえるのは、ほとんどの場合が管理職への採用です。
つまり、支給額順は下記のように並べられます。
国は非推奨!看護師転職の祝い金について知っておくべき3つの真実!
- 厚生労働省は祝い金を推奨していない
- 祝い金を採用している転職サービスは少ない
- 転職サービスは「祝い金基準」ではなく「サービス基準」で選ぶ
転職サービスを選ぶとき「どうせなら祝い金があるところが良い」と思うかもしれません。しかし、祝い金で転職サービスを選ぶ前に知っておくべきことがあります。
その3つを詳しくご紹介します。
厚生労働省は祝い金を推奨していない

実は、厚生労働省は祝い金を推奨していません。
2018年1月1日に「職業安定法の改正」が施行されました。その際、厚生労働省は転職サービスに向けて下記内容を伝えています。
求職者等を勧誘するに当たっては、お祝い金等の金銭を支給することは望ましくありません。
祝い金がある転職サービスは、厚生労働省の非推奨を受け流している状況といえます。
祝い金を採用している転職サービスは少ない
実は、祝い金制度を採用している看護師向けの転職エージェントは、すごく少ないです。
過去には、多くの看護師の転職サービスが祝い金制度を行っていいました。しかし、先ほどお伝えした通り2018年の職業安定法の改定以後、次々と祝い金制度を廃止していきました。
特に、コンプライアンスを重視する大手企業には、祝い金を採用しているところはありません。
転職サービスは「祝い金基準」ではなく「サービス基準」で選ぶ
転職サービスを選ぶ際は、「祝い金基準」ではなく「サ-ビス基準」で選ぶことをおすすめします。
祝い金基準で転職サービスを選ぶのは、本来の「転職を成功させる」という目的から外れてしまいます。転職を成功させるために必要なのは、祝い金ではなく「充実したサービス」です。
祝い金が無い転職エージェントには、満足度の高いサービスが期待できます。その理由2つ。
- サービス向上にコストをかけている
- 祝い金を設けなくても集客できる
理由①サービス向上にコストをかけている
祝い金が無い転職サービスは、その分をサービス向上にコストをかけられます。例えば…
- 病院・施設への訪問・リサーチ(求人情報・院内事情など)
- 質の高いコンサルタント育成(転職者への応対や調整力・交渉力など)
コストをかけた分、より良いサービスが期待できるといえます。
理由②祝い金を設けなくても集客できる
祝い金を採用していない理由には、サービスだけで集客できるからとも考えられます。
最も集客効果があるのは、実際に利用した人からの良い口コミです。サービスが良ければ口コミが広がり、祝い金が無くても利用者は自然と増えていきます。
国が非推奨としている祝い金を出してまで集客する必要がありません。
お祝い金がもらえる看護師向け転職サービス3選
ここまで祝い金について様々な事情を伝えてきました。それでもやっぱり祝い金がある転職サービスは気になりませんか?
ということで、お祝い金がもらえる転職サービスを3つお伝えします。
自由度が高い!ジョブメドレー
正職員の場合、2万4,000円~3万円の場合が多いです。それぞれの求人情報に祝い金の支給額が具体的に記載されているので、事前にチェックできます。
ジョブメドレーは基本的に、転職者が事業所に直接応募するしくみです。そのため、自分のペースで転職活動を進めたい人におすすめ。
また、施設側からスカウトされることもあるので自力で探すより選択肢が広がります。
さらに転職成功すると祝い金をもらえます。ジョブメドレーはサポート内容が多すぎないので、自主的に動きたい人にはピッタリです。
関東・東海エリアに強い!看護プロ

- 常勤(夜勤あり)3万円
- 常勤(日勤のみ)2万円
- 非常勤 1万円
看護プロの対象エリアは全国ですが、関東・東海エリアの求人が多いです。公開されている求人数は約5,000件と少な目ですが、非公開求人もあります。
看護プロの特長は、電話相談の受付時間が長いこと。平日は23:00まで、祝祭日も19:00まで対応しています。そのため、在職中で忙しくても利用です。
\祝い金は最大3万円/ 看護プロの公式HPを見る
祝い金が高額!ジョブデポ看護師

ジョブデポ看護師は、祝い金が最大40万円。看護師向けの転職サービスの中で最も高額です。紹介料の半分を祝い金に充てていると宣伝されています。
ただ気になる点は、祝い金の金額が「最大40万円」としか記載がないこと。
他の転職サービスは、勤務形態や求人ごとに具体的な金額を公開しています。利用する前に細かい金額を確認することが必要です。
\祝い金は最大40万円/ ジョブデポ看護師の公式HPを見る
失敗しない!祝い金以外の看護師向け転職サービスの選び方
- 求人数
- 対象エリア
- サービス内容
- 信頼性・口コミ
転職サービスを利用する目的は転職成功のためです。
転職成功には、自分に合った転職サービスを選ぶことが重要です。「祝い金があるから」だけでは、自分に合わない転職サービスを選択し、転職失敗につながる恐れがあります。
そこで、転職成功につなげるための転職サービスの選び方のポイント4つをご紹介します。
求人数

選び方のポイント1つ目は、求人数です。求人数が多いと選択肢が広がり、より希望に近い転職先が見つかる可能性が高まります。
また、非公開求人を取り扱っているかも注目ポイント。
公開されている求人数が少なくても、実は非公開の求人を多く取り扱っている場合も考えられます。非公開求人の有無も考慮した上で、公開求人数を比較するのがおすすめです。
対象エリア

選び方のポイント2つ目は、対象エリアです。
転職サービスによって、全国を対象としているところもあれば、特定の地区限定のところもあります。また全国展開している転職サービスでも、それぞれで得意な地域があります。
例えば「九州地方の求人数が他社より多い」など。
転職を希望している地域に強い転職サービスを選ぶことをおおすめします。複数の転職サービスで迷った際は、地域を絞った求人数で比較してみてください。
サービス内容

選び方のポイント3つ目は、サービス内容です。
転職サービスによってサービス内容は異なります。自分に必要なサービスを提供しているかで選ぶのが重要です。
例えば下記のような内容があります。
- 夜分や土日祝も電話相談可能
- 担当者と対面面談が可能
- 履歴書添削や面接対策にも対応
- 担当者による面接同行がある
- 病院・施設側との条件交渉代行
- 円満対策のサポート
- 入職後のサポート
信頼性・口コミ

選び方のポイント4つ目は、信頼性です。
ここでいう信頼性とは、HPの事前情報と実際の利用者からの感想にギャップが無いかということ。その信頼性の参考となるのがSNSや掲示板などの口コミです。
忖度不要の口コミには、利用者からのリアルな感想が載っています。例えば…
- キャリアコンサルタントへの感想
- HPで紹介されてるサービス内容への感想
- 紹介される求人への感想
など。良い口コミが多い転職サービスは信頼性が高いといえます。
口コミを見る際の注意点は、悪い意見は鵜呑みにしないことです。一方的な悪い意見は、実際はどちらに問題があったのかはわかりません。
口コミを書いた側に非があった可能性もあります。
また、大袈裟な物言いや嫌がらせであることも多いです。注目すべきは悪い口コミではありません。良い口コミがどのくらいあるかを参考にするのがおすすめです。
サービス基準で選んだおすすめの看護師向け転職サービス ベスト3
マイナビ看護師 | 看護のお仕事 | ナースではたらこ | |
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対象エリア | ![]() 全国 | ![]() 全国 | ![]() 全国 |
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特長 | 全国22箇所に拠点があるから 地方でも利用しやすい | 求人数が豊富だから 希望に合った求人を見つけやすい | 求人が無い病院・施設でも 相談・交渉してくれる |
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看護師は「祝い金」ではなく「転職成功」するために転職サービスを利用しよう
- 祝い金は「あやしいお金」ではなく、紹介料の一部
- 祝い金が支給されるのは入植後2~6ヶ月間勤務してから
- 厚生労働省は祝い金制度を非推奨
- 転職サービスは「祝い金基準」で選ばない
祝い金は「もらえればラッキー」くらいのスタンスでいることをおすすめします。転職サービスを利用するのは祝い金が欲しいからではありません。 転職を成功させるためです。
成功させるには、自分に合った転職サービスを選ぶことが重要です。
求人数、対象エリア、サービス内容などから、いかに自分の希望を満たせるかがポイントになります。祝い金はオマケ程度に考え、 まずは自分に合った転職サービスを分析してみてくだい。