
「未経験から製造業への転職を成功させたい!」と思う一方、
- 製造業への転職難易度は高い?
- 未経験からどんな職種に転職できるの?
- 転職後の待遇について知りたい
と悩んでいませんか?
この記事では、実際にメーカー勤務経験がある私が「異業種から製造業への転職を成功させる方法」から「製造業へ転職する際の注意点」まで紹介します。
目次
人気にはワケがある?製造業が未経験から転職しやすい理由!
- 様々な業界の正社員求人が存在するため
- 勤務形態のバリエーションが豊富なため
- 求人の多くが工場での軽作業のため
製造業は「学歴不問求人」「未経験歓迎求人」など学歴や経験がなくても、転職しやすい業種です。しかしですね。入社の難易度が低いだけが人気の理由ではありません。
そこでここではなぜ、未経験者が製造業を職場に選びやすいのかをチェックしていきましょう!
様々な業界の正社員求人が存在するため
製造業と一つにまとめても、生産する製品は様々です。例えば、パンを作る工場や家電を作る工場など自分が興味のある分野を選べます。
- 基礎素材型産業:木製品/紙製品/化学工業/石油・石炭製品/ゴム製品/鉄鋼など
- 加工組立型産業:一般機器/電気機器/輸送機器/精密機械器具など
- 生活関連型産業:食料品/家具/出版/飲料・たばこ・飼料/衣類・繊維製品など
同じ製造業でも作っている製品によって給与に差が出ることもあるので、転職の際は慎重に選びましょう。
勤務形態のバリエーションが豊富なため
工場で勤務する場合は勤務形態の一つではありません。三交代勤務や短時間勤務、夜間勤務など生活リズムに合わせた時間で働くことができるためです。
例えば、朝が苦手な人は夜勤を希望するのをおすすめします。夜勤は手当が付く分、日勤より高給で昼夜逆転を嫌う人が多いことから倍率も低く、狙い目ですよ。
しかし、企業によっては日勤も夜勤も行うローテーションシフトの場合があるので、入社前に確認しておきましょう!
求人の多くが工場での軽作業なため
メーカー企業は営業職や商品企画・開発、広報などの仕事もありますよね。しかしですね。製造業で一番募集されているのは工場での軽作業なんです。
「学歴不問」「未経験者歓迎」で募集されており、業務経験や学歴を気にせず、応募できるためです。
仕事内容が覚えやすく、人手不足の工場が多いので転職の難易度は低めに設定されています。正社員の他にも派遣社員やアルバイト、パートの求人を多いのが特徴です。
あなたは知ってた?製造業の作業工程は主に5つ!
- 製造・組み立て作業
- 加工・仕上げ作業
- 点検作業
- 仕分け・梱包作業
- 生産管理
製造業では、製品が完成してから出荷されるまで主に5つの作業工程が必要になります。転職する前に消費者が見えない工程を知識として学習しておきましょう。
ここでは製造業の作業工程をお伝えします。
製造・組み立て作業
製品や部品の一部を組み立てる作業で、一つの製品を大量に製造できる。人の手で行うことが多い。
ライン作業では機械より人の手がよく使われます。製品を傷つけないように行う作業が多いためです。
例えば、ベルトコンベアから流れてきたプラスチックの部品を別の部品に当てはめて、収納を組み立てる作業などですね。機械だけでは完結できない仕事を請け負います。
加工・仕上げ作業
製品に色を塗ったり、シールを貼ったりして、製品を完成させる作業。
この工程も機械ではなく、手動で作業を行うことも多いですね。
業種によっては溶接やはんだ付けなど特殊技能が必要なため、資格やスキルを取得した人が行う専門領域でもあります。
検品・点検作業
完成した製品を点検や検品を行います。できあがった物が不良品ではないかを確認するためです。
製品によって必要な検品項目が異なるので、以下のように2種類に分けられます。
- 全数検査:全てのチェックをする
- 抜取検査:一定の割合で製品からサンプルを抜いて調べる
仕分け・梱包作業
種類や用途、目的別に部品や製品を分ける作業。
完成した製品を梱包する作業です。梱包は扱う商品によって、重さが異なるので力仕事になる可能性もありますね。
生産管理
製造数・納期など計画通りに、製品の生産・出荷できるよう管理する仕事。
効率的に仕事するために、無駄の出ないように材料の調達し、作業員や機械の位置を変更します。現場を客観的に見て、工場の生産性が上がるように考えていますね。
異業種から製造業への転職を成功させる方法3選
- 自己分析のためキャリアの棚卸しをする
- あらかじめ求人票で条件を確認しておく
- 製造業特化型求人サイトを利用する
異業種からでも製造業への転職自体はしやすいです。ただですね。自分が納得できるような待遇の会社に転職するのは簡単ではありません。
ここからはいよいよ、異業種からでも製造業への転職を成功させる方法を3つ紹介します。
自己分析のためキャリアの棚卸しをする
自分のキャリアを棚卸する方法は、時系列順に仕事内容を書き出すことです。最終的に、以下の自分の特徴が分かれば、転職の際の企業選びで役立ちますよ!
- 自分の強み・弱み
- 身についたスキル
- 評価された経験・実績
- 性格や仕事に対する価値観
また、前職の不満を明確にすることで、自分が転職先に求めていることが分かります。譲れない条件を知れば、企業を選ぶポイントがハッキリしやすいですね。
- なぜ、転職したいのか(前職の不満など)
- なぜこの会社で働きたいのか(転職先に求めていることなど)
あらかじめ求人票で条件を確認しておく
求人票は年収だけでなく、待遇を中心に確認しましょう!待遇を見て選んだ方がブラック企業を避けられるためです。
特に高収入だけど、条件が不透明な会社は気をつけた方が良いですね。
- 残業時間・年間休日はどのくらいあるか
- キャリアアップできる職種か
- 商材に将来性はあるか
- 教育制度は整っているか
- 正社員になれる可能性はあるか(非正規雇用の場合)
例えば、製造ラインの場合はサブリーダー→リーダー→現場を統括する役割にキャリアアップできます。
非正規雇用の場合は、正社員登用制度で正社員へのなりやすさを確認しておくべきですね。企業によってはほとんど正社員になれない可能性もあるためです。
待遇や将来性も含めて、人事に聞いたり、在職中の社員や退職した社員の本音が分かる口コミサイトで調べたりするのをおすすめします。
製造業特化型求人サイトを利用する
製造業特化型求人サイトを利用することをおすすめします。給与や労働環境が良い製造業の求人が揃っているためです。
全国の製造業の求人を取り扱っており、業種の種類も豊富。特に地方民や狙っている業種がある人は使用した方が良いですね。
【例文つき】製造業へ転職する際の志望動機・自己PRのポイント
- 志望動機ではものづくりへの熱意をアピールする
- 自己PRでは企業の求める人物像との共通点を見つける
ここまでで、
- 求人票から見抜く企業選びのポイント
- 自己分析によってアピールすべき自分の強み
をお伝えしました。ここでは転職成功の鍵を握る志望動機と自己PRを作成するコツを紹介します!
志望動機ではものづくりへの熱意をアピールする
志望動機では、ものづくりに関わりたいという前向きな意思をアピールしましょう。企業側は真面目で長期的に定着してくれる人材を求めているためです。
例えば「人と話すことが苦手なので、単純作業がしたい」など後ろ向きな理由の場合「入社後のギャップですぐに辞めてしまうんじゃ…。」と不安を持たれてしまいます。
短期離職されると採用コストが無駄になります。すると、人員補充のために選考を一からやり直す手間がかかりますよね?
そのため、問題がありそうな人は採用を避けられてしまうんです。なので、志望動機は以下のように前向きな内容を作成しましょう!
- ものづくりに携わりたいことを伝える
- 取り扱い製品について調べて、特定の商品に興味を示す
- 企業内でキャリアアップしたい意思を伝える
私は家電製品作りに関わりたいと考え、御社を志望いたしました。
私は前職で家電量販店の販売員として働いていた際に、御社のドラム式洗濯機の「アイロン機能」に感銘を受けました。(特定の商品に興味を示す)
そして、同業他社より群を抜いたユーザーファーストな製品を作成している御社の作業に関わりたいと思いました。(ものづくりに携わりたいことを伝える)
製造ライン業務を希望していますが、ゆくゆくは前職での経験活かし、マネジメント業務を担当したいです。(企業内でキャリアアップしたい意思を伝える)
生活者の暮らしを豊かにする製品作りに携わるため、御社を志望しています。
自己PRでは企業の求める人物像との共通点を見つける
企業が求める人材は求人票や会社のHP、口コミサイトで調べられます。そして、自己分析した内容から自分との共通点を見つけてください。
会社が求める人物像とアピールポイントがズレていると、ミスマッチを起こす可能性があると判断され、採用を見送られやすいんです。
例えば、検品担当の求人募集の場合は注意力が高い人、機械を使用する職種なら周りに配慮ができる人が優遇されます。
製造業経験は即戦力として期待されるので、スキルや経験をアピールすると、内定獲得にかなり近づけますよ。
- 企業が求めている人材に近い強みを発揮したエピソードを話す
- 製造業経験者はスキルや経験も伝える
私の長所は「間違いを見抜く力」です。
前職では営業事務を担当しており、営業社員から提出された会議の書類作成や見積書・納品書の管理などを行っていました。
特に見積書や納品書の数字の間違いは会社への損失が大きいミスです。私は再計算+上司の二重チェックにより、3年間で記載ミスを一度も見逃しませんでした。
この間違いを見抜く力を御社の検品担当でも活かし、貢献していきます。(企業が求めている人材に近い強みを発揮したエピソードを話す)
製造業への転職をおすすめできる3つのポイント
- 仕事を覚えるのに時間がかからない
- 知識と経験が確実に身につく
- 特に大手企業は福利厚生が手厚い
工場での仕事はツラいイメージが先行している人もいるかもしれません。
しかしですね。キャリアアップを目指せることや大手企業へ転職できる可能性など他の職種にはないメリットも多いんです。
そこで、ここでは製造業への転職をおすすめできる理由をお伝えします。
仕事を覚えるのに時間がかからない
製造職の仕事は基本的に短期間で覚えられます。製品の質に偏りが出ないように作業がマニュアル化されているためです。
作業の分業化も進んでおり、覚える作業が限られています。そのため、新人への教育コストカットや時間の短縮にもなるんです。
そのため、工場勤務では作業の難しさから退職を検討することはほぼありませんね。
知識と経験が確実に身につく
専門知識と実務経験を積み重ねていけば、企業内でのキャリアップや転職市場での価値が上がります。
- 専門知識:専門知識を得て、資格を取得することで担当できる仕事の幅が増える。
- 実務経験:チームリーダーを任せてもらえることができれば、実績になる。
企業によっては資格1つにつき、資格手当がつきます。専門知識が身につく+給与も上がるので、キャリアアップを視野に入れている人は取得するのをおすすめですね。
特に大手企業は福利構成が手厚い
企業によって異なりますが、製造業は福利厚生が充実している場合が多いです。日本は製造業が盛んなためです。
特に大手企業はあまり人手不足ではないので、有給が取得しやすいんですよね。今の会社が忙しくて、有給取得が難しい人からしたら羨ましくありませんか?
社宅・寮完備や住宅手当、退職金制度などきちん整っており、給与・ボーナス共にしっかりとした金額が支給されます。
また、工場には食堂が付いている場合が多く、健康面でも経済面も良い影響があるんです。
ただ、大手企業は年齢制限や有資格者など条件があるので、確認しておくことをおすすめします。
【未経験者必見】製造業へ転職する際の注意点5点
- 3交代勤務は慣れるまで時間がかかる
- 単純作業をこなすことに飽きやすい
- 連携のためにコミュニケーションは必須
- 40代以上になると体力的にキツくなってくる
- 労働環境が悪い会社がある
当たり前ですが、製造業に転職することはメリットだけではありません。ただですね。入社前に知っておけば、避けられるデメリットも多いんです。
そこで、ここでは製造業へ転職する際の注意点をお伝えします。
3交代勤務は慣れるまで時間がかかる
3交代勤務(シフト勤務)は慣れるまで体調を崩す可能性があります。24時間を3等分して、夜勤が含まれるシフトもあるためです。
- 06:00〜14:00(日勤)
- 14:00〜22:00(準夜勤)
- 22:00〜06:00(深夜勤)
特にローテーション勤務を取り入れている企業だと、夜勤と日勤が交互にある場合や土日勤務もあり、生活リズムが乱れやすいんです。
寝るべき時間に寝れないと、注意力散漫になりやすいですよね?工場勤務は機械を扱うため、大怪我を負うリスクもある危険な仕事です。
そのため、集中力に欠ける場合は正直に上司へ相談し、安全を最優先に行動することをおすすめします。
入社前に企業がどんな勤務形態を採用しているのかを確認しておくべきですね。
単純作業をこなすことに飽きやすい
単純作業が苦手な人には不向きかもしれません。しかしですね。慣れれば、自分のペースで仕事ができるのでデメリットだけではないんです!
飽き対策としては、自分の好きなものに関係する工場で働くことですね。自分の趣味をひたすら眺めことができる環境は理想的だと感じる人も少なくありません。
そのため、自分の趣味に関する工場があれば、応募してみることをおすすめします!
- 車が好き:車の部品を作る工場
- パンが好き:パンを作る工場
- 機械いじりが好き:加工・仕上げ作業を担当する
連携のためにコミュニケーション能力は必須
工業での作業と言えば、黙々と単純作業をこなすイメージですよね。しかしですね。実際は連携のためにコミュニケーションは必須なんです。
作業の効率化を図るには、社員通しの意思疎通しないといけません。
例えば、検品作業でも「検品済み製品をどこに置いたのか」「午前中に何個検品すべきなのか」など報・連・相が必要になります。
特に出世すると、部下に指示を出すことも増えるのでコミュニケーションの機会は増えていきます。
また、休憩時間や勤務時間の後に同僚と会話することも多いです。どの企業でも言えることですが、上司に気に入られている方が出世しやすい傾向がありますね。
40代以上になると体力的にキツくなってくる
作業内容によっては、40代以上の人にはキツいことも多いかもしれません。長時間立って行う作業や重い荷物を運ぶ作業もあるためです。
特に繁忙期には残業や作業量が増えます。前述した通り、不規則なシフト+繁忙期の忙しさは体調を崩しやすいです。
20代や30代なら連日の残業や不規則なシフトでも体力で乗り切れる可能性が高いです。ただです。40代以上になると、体力面でキツく人も多くなりますね… 。
そのため、工場にはたくさんの仕事があるので、上司と相談して、違う作業をさせてもらうのも解決策の一つですよ!
労働環境が悪い会社がある
多くはありませんが、労働環境の悪い会社も存在します。会社によっては工場の設備が古かったり、整っていなかったりすることもあるためです。
例えば、工場内の空調設備が古い場合、夏は暑く、冬は寒いという劣悪な環境化で仕事をしないといけません。
悪い環境での長時間働くのは健康を害する可能性があるので、入社前に勤務先の工場を見学させてもらうことをおすすめします。
- 指示が聞こえないほど機械音がうるさい
- 工場内が清掃されておらず汚い
- 長時間残業が常態化している
製造業の転職に関するQ&A
異業種からの転職だと応募先と同じ業界の友人がいないことも多く、疑問が解決できないことも多いですよね?業界について知らないことがあるまま、転職するのは危険です。
そこで製造業の転職についてよくある質問をまとめたので、お伝えします!
製造業に転職する際に有利になる資格はある?
業界や仕事内容に異なりますが、持っていると採用されやすい資格があります。
- 自動車整備士
- アーク溶接作業者
- プレス金型取替作業者
- フォークリフト運転技能者
- クレーン・デリック運転士
- 移動式クレーン運転士
- 危険物取扱者
- ボイラー技士
- 電気工事士
- 衛生管理者
- 安全管理者
- 特定化学物質作業主任者
自分の担当する仕事によって、必要な資格は異なります。今後のキャリアアップの必要な資格があれば、上司に確認してみましょう!
製造業の平均年収はいくら?
製造業の平均年収は486万円です。
厚生労働省の調査によると、製造業に従事する男性の平均月収は約32万円でした。また、製造業の平均賞与額は約51万円です。
つまり、賞与を夏と冬に支給された場合、平均年収は約486万円ですね。日本の男性会社員の平均年収545万円と比較すると、やや低い部類に入ります。
(参照:厚生労働省 令和元年9月結果速報等)
(参照:国税庁 平成30年度 民間給与実態統計調査)
30代や40代でも未経験から転職できる?
30代や40代でも製造業・工場勤務なら転職できます。工場の作業範囲は広く、年齢が高くても担当できる仕事はあるためです。
しかしですね。年功序列の会社が多いので、30〜40代の中途入社の場合は出世は難しいかもしれません…。
給与は55〜59歳でピークを迎えます。事実、厚生労働省の調査では約42万円と一番高い額でした。
現状中途入社の人が同じ額をもらえる可能性は高くありません。会社は新卒入社または若手から会社を支えてくれた人に給与を還元したいんです。
そのため、30代から大きく昇給を狙うなら、成果主義の会社に入社して結果を出すことをおすすめします。
製造業への転職を成功させるためのノウハウまとめ
- 自己分析のためキャリアの棚卸しをする
- あらかじめ求人票で条件を確認しておく
- 製造業特化型求人サイトを利用する
製造業への転職の難易度は高くありません。しかしですね。企業選びやアピールポイントを間違ってしまうと、待遇の良い企業への転職を逃してしまう可能性があるんです。
企業選びの際は、
- 残業時間・年間休日はどのくらいあるか
- キャリアアップできる職種か
- 商材に将来性はあるか
- 教育制度は整っているか
- 正社員になれる可能性はあるか(非正規雇用の場合)
これらのポイントに注意してみてください。
異業種から製造業への転職を成功させるためにも、上記3つの方法を利用し、理想の職場への内定を勝ち取りましょう!