
「未経験から出版社へ転職したい!」と思う一方で、
- どんなスキルや経験があると、転職で有利になるのか?
- 出版社は激務なのか?
- 未経験から出版社へ転職できるのか?
と悩んでいませんか?
そこで、この記事では出版社への転職について調べ尽くした私が「出版社の職種別の仕事内容」から「おすすめの転職エージェント」まで紹介します。
目次
転職するなら必須知識!出版社の職種は主に4種類!
- 企画を立てる:出版社の仕事は売れる本を作ること。世間の話題や情報にアンテナを張り、読者が求めている企画を考える。
- 各分野のプロと協力して本を制作する:小説は作家、雑誌・写真集はカメラマン、本の表紙はデザイナーとタッグを組む。その後印刷会社へ依頼→製本→完成。
- 出版物を書店に売り込む:売り上げを伸ばすために戦略を立て、広告で宣伝する。電子書籍の登場に伴い、メディアに売り込みも必要。
出版社の仕事は「売れる本を作る」ことです。そのため、以上の仕事には編集者だけではなく、様々な職種が関わっています。
転職するなら確実に知っておくべき知識なので、以下の出版社の仕事内容をチェックしていきましょう。
- 編集者
- 営業
- 校閲
- その他の職種
編集者
出版社の編集者は紙媒体の全部or一部を企画してディレクションをする仕事です。
- 企画の立案
- 著者、監修者の選定・交渉
- ライター、カメラマン、デザイナーなど各分野のプロを手配
- 取材の手配、原稿執筆の依頼、進行管理
- 印刷所の選定・交渉
- 誌面デザインの編集・発注
- プロモーションの企画・提案
- ゲラ(試し刷り)の校正(誤植などのチェック)
- 校了
- 売上分析
一般的には上記の流れですが、企画立案→取材→執筆を全て編集者自ら行うこともありますね。そのため、発想力・行動力・文章力などマルチなスキルが要求される職種です。
営業
出版社の営業職は「書店営業」と「広告営業」の2種類に分けられます。
- 書店営業:書店に自社の本を売り込み、目立つ場所に陳列してもらう仕事。営業戦略が上手く伝われば、POPなどを使ったコーナーを作ってもらえる可能性もある。
- 広告営業:雑誌や本に載せる広告枠を企業へ売り込む仕事。提案力を活かして、本の魅力が伝われば、企業は広告を載せてくれる。
どちらの営業職も本の魅力を伝える必要があるので、興味のあるジャンルの書籍を作っている会社へ転職した方が売り込みやすくなりますね。
- 雑誌:ファッション誌・女性誌・趣味雑誌・週刊誌・文芸誌・専門誌など。
- 漫画・文芸:漫画や文芸(純文学・ライト文芸・ライトノベル)など。
- 実用書籍:レシピ本・エクササイズ本・自己啓発本など。
- 専門書籍:法律・美術・音楽などコアなファンに向けた書籍など。
校正・校閲
校正・校閲とは誤字・脱字をチェックして、正しい日本語に直す仕事です。
- 校正:「純粋な文字のチェック」を担当する。元の原稿と比べて、誤植や誤字脱字などのミスの発見、修正を行う。
- 校閲:「事実確認のチェック」を担当する。誤記・表記の揺れ・事実関係の誤り・差別表現や不快表現など不適切表現の有無まで幅広くチェックして訂正する。
炎上リスクのある文章や根拠のない事実を掲載しないように最終チェックをする重要なポジションなんです。
ただですね。企業規模が小さい会社の場合は校閲部が存在せず、校正・校閲の仕事をアウトソーシングで担う場合もあります…。
そのため、校正・校閲の仕事をしたい場合は外注先の企業へ転職した方が良いですね。
その他の職種
出版社によって作成する書籍のジャンルが異なります。そのため、ジャンルごとに必要な職種も変わってくるんです。
- 事務職(契約社員・派遣社員の場合もある)
- デザイナー
- 記者
興味のある企業の求人を見つけたら、希望職種があるかどうかチェックしてみましょう。
出版社へ転職するなら知っておくべき注意点4選
- 大手や中堅出版社の正社員の中途採用は経験者のみ
- プライベートな時間がほとんど取れない
- 地味な裏方作業が多い
- 出版業界は衰退気味
出版社では自分の好きなことを仕事にできたり、有名人と仕事ができたりします。そのため、憧れが転職の原動力になっているかもしれません。
ただですね。憧れだけで転職してしまうと入社後のギャップに苦しむ可能性もあるんです…。転職を後悔しないためには出版業界のリアルを知っておくのをおすすめします。
そこでここでは、出版社へ転職するなら知っておくべき注意点を4つ紹介します。
大手や中堅出版社の正社員の中途採用は経験者のみ
大手や中堅出版社の正社員の中途採用は経験者しかほとんど募集していません。新卒至上主義が根付いている業界のためです。
ただですね。未経験者の採用数が0ではありません。特に第二新卒の場合はポテンシャル採用される可能性は十分にありますよ。
20代なら前職の実績次第では採用される場合もあるので、アピールしてみましょう。
プライベートな時間がほとんど取れない
出版社勤務ではプライベートな時間がほとんど取れません。特に編集の仕事は勤務時間が不規則になるためです。
- 締切前は作業が多かったり、ライターや漫画家の納品を待ったりするため。
- 休日に急な仕事が入る場合があるため。
- 家に帰っても読まなければならない原稿があるため。
以上のようにワークライフバランスを保つのが難しい仕事なんです。覚悟して出版社に入っても身体が持たなかったり、精神的にツラくなってしまったりする場合もありますね…。
地味な裏方作業が多い
出版社の仕事は地味な裏方作業が多いんです。作家やアーティストの作品を世に出すサポート的な仕事がメインなためです。
- 各分野のプロのスケジュール調整
- 書籍作りの予算管理
- テープ起こし
- 原稿のチェック
前述した通り、原稿の納品を待つため、会社に長時間待機していることもあります。
そのため、華やかなイメージを持って入社すると、スポットライトが当たらない仕事に対しギャップを感じるかもしれません…。
出版業界は衰退気味
知っている人も多いかもしれませんが、出版業界は衰退気味なんです。事実、全国出版協会の調査によると、出版業界の市場規模の推移は以下の通りでした。
- 2015年:1兆6,722億円(内1,502億円)
- 2016年:1兆6,618億円(内1,909億円)
- 2017年:1兆5,916億円(内2,215億円)
- 2018年:1兆5,400億円(内2,479億円)
※カッコ内は電子書籍の売上
上記から分かるように売上は減少の一途を辿っています。ただですね。電子出版の市場規模は拡大傾向にあり、今後の出版業界は電子版との売り出し方の兼ね合いが重要ですね。
出版不況の時代だからこそ、有能な人材が求められています。そのため、出版社への転職は簡単ではありません。
未経験から出版社へ転職するための4つのポイント
- 類似業界・企業への転職を視野に入れる
- 自分でWebコンテンツを作ってみる
- 志望動機では会社でやりたいこと・貢献できる能力をアピールする
- 転職エージェントを利用する
ここまでで、
- 大手や中堅出版社の正社員の中途採用は厳しい
- 業界的に衰退気味だからこそ優秀な人材を求めている
ということが分かりました。ここではいよいよ、未経験から出版社へ転職するためのポイントを4つ紹介します。
しかしですね。ここで紹介する内容を実践すれば、出版社への入社にかなり近づきますよ!
類似業界・企業への転職も視野に入れる
未経験から出版社へ転職するためには、類似業界・企業への転職も視野に入れましょう。出版社への転職は狭き門なので、未経験からの入社は厳しいかもしれないためです。
類似業界・企業で経験を積めば、今後のキャリアアップの転職で出版社へ入社できる可能性が高まります。
- 広告業界:営業・ライティング・Webメディア・マーケティングに関する知識が身につくため。メーカーの広報部などで企画立案や広告の出稿経験を積むのも良い。
- Webメディア制作会社:出版社でもネットの関連の知識が必要になるため。取材ノウハウや撮影技術の記事制作スキル+メディア運営に関するマーケティングを学べる。
- 編集プロダクション(※):出版社からの依頼で編集業務を行う。出版社の知識が身につく+人脈も形成できるため。未経験者の採用率が高い編プロで実績を作るべき。
特に編プロは仕事のハードさから離職率が高く、募集求人数が多いんです。編集者への転職に限れば、成果次第で一番出版社から声がかかかりやすいですね。
そのため、将来的に出版社への転職を検討している場合は類似業界・企業へ転職することをおすすめします。
自分でWebコンテンツを作ってみる
未経験から出版社へ転職するためには、自分でWebコンテンツを作ってみてください。
最近はほとんどの出版社がWebを使って自社の出版物をアピールしています。ただですね。収益面でWebを有効活用できている出版社はほぼないんです。
そこでWebの知識があると、転職活動で優遇されるかもしれません。
加えて、紙媒体の編集者だけでなく、Webメディアの編集者の需用が高まっています。そのため、まずは自分でWebコンテンツを立ち上げてみましょう。
- 企画力
- 取材力
- 執筆ノウハウ
企画から記事執筆まで全て自分で行えば、以上のスキルが身につきます。
また、作成したコンテンツはポートフォリオとして使うこともできるので、転職活動で有利になりますよ!
志望動機では会社でやりたいこと・貢献できる能力をアピールする
未経験から出版社へ転職するためには、志望動機で会社でやりたいこと・貢献できる能力をアピールしましょう。
「本が好き」など漠然とした理由ではライバルと差別化できず、競争に勝てないためです。
- 志望企業と同業他社の媒体を研究しておく:作成している書籍や企業理念など。
- 自分はどんな書籍を作りたいのかを伝える:履歴書とは別に企画書を用意する。
- 前職の経験やスキルを棚卸ししておく:転職先でどう活かせるのかを伝える。
面接は採用担当者に「自分を採用するメリット」を伝える場です。そこで、以下のような経験やスキルがあれば、積極的にアピールしましょう。
- Webマーケティング・ライティング:フリーランスや副業の経験でも編集者や校閲者の転職に有利になる。
- 情報収集力・発想力:売れる本のアイデアを生み出すには世の中の情報や流行を敏感に察知する情報収集力が必要。発想力で情報をアレンジして売れる本に仕上げる。
- 調整能力・コミュニケーションスキル:各分野のプロの仕事を取りまとめる。誰にどの仕事を振るべきかなど効率化を図り、円滑に仕事を進める。
- 営業スキル:汎用性があるスキル。出版業界の経験がなくても採用されるかもしれない。
- オフィス系ソフトの操作スキル:Windowsを使用している場合が多いため。一般的な文書作成や表作成をこなせるようにしておく。
- Adobe社のデザインソフトの操作スキル:入社後でも覚えられるが、スキルがあれば、すぐにアシスタントとして実務に移れる。
企業の事業についてしっかり理解して、自分の有用性を伝えてみてください。キャリアの棚卸し方法については以下の記事を参考にしてみてくださいね。

転職エージェントを利用する
出版社への転職を成功させたい場合は、転職エージェントを利用するのをおすすめします。
- 出版業界の求人を豊富に保有している
- 転職のプロであるキャリアアドバイザーからのサポートが受けられる
- 応募企業の情報を詳しく教えてもらえる
出版社数は年々減少しており、求人数も多くありません。ただですね。転職エージェントでは編集プロダクションを含めた出版業界の求人を多数保有しています。
編集プロダクションで経験を積んでキャリアアップを目指したり、前職の経験・スキルをアピールして出版社へ挑んだりと、多くの選択肢を提示してもらえるんです。
キャリアアドバイザーは転職活動のプロです。転職ノウハウが豊富なので、転職相談だけでもしてみる価値はありますね。以下の内容を中心にサポートを行ってくれますよ。
- 無料カウンセリング
- 求人紹介
- 面接対策
- 応募書類の添削
- 内定後の収入交渉
- 面接日の日程調整
- 推薦状の記入
アドバイザーは求人掲載中の出版社と繋がりが深く、内部事情にも詳しいんです。応募先企業の業務内容や職場環境を教えてもらえるため、ミスマッチを防げるかもしれません。
そのため、転職エージェントを利用した方が出版社へ転職しやすくなりますよ!
未経験から出版社へ転職するのにおすすめのエージェント3選!
エージェント名 | 出版業界の求人数 | サポートの質 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
リクルートエージェント![]() | ![]() 約1,900件 +非公開求人 | ![]() 知識・実績豊富な アドバイザーが多い | ![]() |
doda転職エージェント![]() | ![]() 約550件 +非公開求人 | ![]() スカウトメール+求人紹介により 効率的な転職活動が可能 | ![]() |
マイナビエージェント![]() | ![]() 約240件 +非公開求人 | ![]() 第二新卒・20代の 転職ノウハウが豊富 | ![]() |
このように、転職エージェントはそれぞれ求人数やサポート内容が異なります。
これだけ見ると、どれを選ぶべきか分かりにくいと思います。そこでここからは、上記のデータをもとに、出版社への転職でおすすめのエージェントを見ていきましょう!
リクルートエージェント
リクルートエージェントでは、出版社はもちろん編集プロダクションまで幅広く求人を保有中です。そのため、編プロへの転職も検討している場合にもおすすめできます。
出版社や編プロの労働条件や職場環境など詳しく知れるので、入社後のミスマッチを起こす心配がありません。
出版社へ転職したいけど、
- どんな企業へ転職できるか分からない
- 企業の内部事情について知りたい
という場合は、まずはリクルートエージェントに登録して面談で相談してみるのがおすすめです!
doda転職エージェント
doda転職エージェントでは転職サイトのスカウトメール機能+エージェントの求人紹介により、忙しい在職中でも効率的に転職活動が行えます。
そのため、視野を広げて転職活動をしたい人におすすめします。
出版社+他業界の企業の転職を検討している場合は、登録しておいて損はないエージェントですよ!
マイナビエージェント
マイナビエージェントでは20代・第二新卒の若手の転職に力を入れています。ポテンシャル採用してもらえる出版社もあるので狙い目かもしれません。
業界の状況や受けるべき企業など出版業界について教えてもらえるので、業界・企業研究にも役立ちます。
そのため、20代で出版業界への転職を目指しているなら、利用してみてはいかがでしょうか。
出版社への転職に関するQ&A
ここでは出版社への転職に関するQ&Aをまとめました。気になるところがあれば、チェックしてみてくださいね。
出版社への転職で有利になる資格は?
出版社への転職で資格はほとんど生かされません。実力主義の業界のためです。実際、何も資格を持っていない編集者は多いですね。
ただですね。就業意欲のアピール+業務の関連スキルを持っていることの目安になる「検定試験」があります。
- DTPエキスパート認証試験:DTPとは原稿作成や編集、デザイン→データ入稿→出版まで行う方法。知識と技術を証明する試験。
- 校正技能検定:編集養成学校「日本エディタースクール」が主催・実施する校正の技術を認定する試験。
- 書類制作技能検定:「日本エディタースクール」が主催・実施する、書籍の編集実務に必要な知識やスキルを認定する試験。
これらの検定試験は転職活動で有利になる可能性があるので、取得しておいて損はありませんよ!
出版業界の編集者の平均年収は?
企業口コミサイトの「転職会議」の調査によると、編集者の平均年収は410万円でした。年齢別の平均年収は以下の通りです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20代前半 | 315万円 |
20代後半 | 382万円 |
30代 | 441万円 |
40代以上 | 494万円 |
平均給与はそこまで高くありません。ただですね。編集プロダクションも入れた平均年収のため、低くなっているんです…。
事実、大手出版社の口コミでは年収1,000万円超えを達成している人も多いんです。そのため、キャリアアップを目指して、実績を積んでいきましょう!
未経験から出版社への転職に年齢制限はある?
未経験から出版社への転職に具体的な年齢制限はありません。ただですね。年齢が上がるほど、高レベルのスキルや実務経験が求められます…。
また、出版社の仕事はハードなので、未経験なら若い人材を優先的に採用する傾向があるんです。
そのため、未経験者は20代のうちがラストチャンスかもしれません。そのため、転職を検討している場合は、いち早く行動に移すことをおすすめします。
未経験から出版社へ転職するためのノウハウまとめ
- 大手や中堅出版社の正社員の中途採用は厳しい
- 類似業界・企業への転職も視野に入れる
- 出版社への転職なら転職エージェントの利用がおすすめ
大手や中堅出版社の正社員の中途採用は経験者が優遇されています。未経験者なら20代でのポテンシャル採用+大きな実績がないと、転職は厳しいかもしれません。
そこで未経験者は編集プロダクションやWebメディア制作会社で実績を積むのをおすすめします。
実績を積めば、今後出版社へ転職できる可能性が高まるためです。そのため、早めに出版or類似業界に入って経験を積みましょう。
本当に転職を有利に進めたいなら転職エージェントの利用がおすすめです。
- 出版業界・企業の内部事情に詳しいアドバイザーのサポートを受けたい場合:リクルートエージェント
- 出版・類似業界へ効率的に転職したい場合:doda転職エージェント
- 第二新卒・20代で出版社の転職を狙っている場合:マイナビエージェント
これらの転職エージェントを利用してみてください。
転職を検討している場合、まずは転職エージェントの無料相談だけでも受けてみてはいかがでしょうか。