転職時に提出する健康診断書の取得方法は?費用から検査項目まで全まとめ

  • 転職時の健康診断書ってなんで提出するの?
  • どんな項目を受診すればいいの?
  • 費用はどうするの?

このような疑問のある方もいるのではないでしょうか?

本記事では、転職時の健康診断について提出する理由や診断項目、受診に必要な費用について解説していきます

転職時の健康診断に関するあらゆる疑問が解消されると思いますので、ぜひご一読ください。

目次

転職時に健康診断書の提出が求められる理由

転職時に健康診断書の提出が求められる理由
  • 雇用主には法律上、提出を求める義務がある
  • 職種によっては仕事への適性を見極めるために求める

まずは、なぜ転職時に健康診断書の提出が必要となるのか、その理由についてご紹介していきます。

雇用主には法律上、提出を求める義務がある

一つ目の理由は、雇用主には、健康診断書を提出させる法律上の義務があるからです。

安全衛生法では、労働者を雇い入れるときに健康診断を行わなければならないことが定められているため、健康診断書の提出が必要となります。

雇用主は、労働者を雇う場合、安全な労働環境を確保して労働災害が起きないように安全衛生の管理体制を整備しなければなりません。

安全衛生の管理体制の整備には、労働者の健康状態を管理することも含まれます。そのため、転職時に健康診断を受けてもらい、その診断書の提出を求めるのです。

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企業は、働く人が安心・安全に働く環境を提供しなければならず、その中には健康面の管理も含まれます、ということですね。

労働安全衛生規則34条

事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、医師による健康診断を行わなければならない

職種によっては仕事への適性を見極めるために求める

もう一つの理由は、一定の職種における仕事への適性を見極めるためです。

特に運送業やドライバーなど、職務中に健康上の障害が起きると重大な事故に繋がる可能性がある職種です。

法律上の要請がなくても、安全に仕事に従事できるかどうかを企業側が把握するために、転職時に健康診断書を提出させているんですね。

転職時に必要な健康診断はどんな病院で受診するの?

転職時に行う健康診断(雇い入れ診断)は、企業側から指定された医療機関で受診することが一般的です。

ただし、企業によっては指定されない場合もあります。その時は、行きつけの病院や総合病院で受診すると良いでしょう。

雇い入れ診断では、診断すべき項目が決まっています

そのため、指定の医療機関以外で受診する場合は、必要な診断項目が受診できるかどうか、事前に確認するようにしてください。

ほとんどの総合病院やクリニックでは、必要な診断項目を把握していますので「雇い入れ診断を受診できますか?」と問い合わせれば問題ありません。

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大きな病院であれば、雇い入れ診断にも慣れていますので、手続きをスムーズに進められるかもしれません。

転職時の健康診断で診断する項目は11項目

転職時の健康診断で診断する11項目
  1. 既往歴及び業務歴
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査と喀痰検査
  5. 血圧の測定
  6. 血液検査・貧血検査
  7. 肝機能検査
  8. 血中脂質検査
  9. 血糖検査
  10. 尿検査
  11. 心電図検査

転職時の健康診断で受診すべき診断項目をご紹介していきます。医師の診断によって、受診を免除される項目もあるので、参考にしてみてください。

①既往歴及び業務歴

既住歴及び業務歴は、転職の時までにかかったことのある疾病や従事したことのある主要な業務について調査する項目です。

業務に従事するうえで、重大な疾病などがないかを問診によって診断します。

雇用主が労働者を雇用した後、労働者の疾病によって重大なトラブルを起こした場合、雇用主にも責任が問われます。

そのため、雇い入れ診断時に把握する必要があるのです。

②自覚症状及び他覚症状の有無の検査

自覚症状は、自分で病気と感じる症状があるかどうかについて問診を行い、医師が診断書に記載する必要があるか判断します。

気になる症状があれば、自分で判断せずに、細かいことでも医師に申告しておいた方が良いです。

また、他覚症状は、医師の所見によって判断される症状。自分で自覚していなくても、医師による触診や聴診によって症状があると判断されれば、診断書に記載されます。

③身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

健康診断では、おなじみの項目ですね。

身長については、年齢が20歳以上の場合、医師が測定する必要がないと判断したときは、省略が可能です。

体重の項目では、いわゆる肥満度を測定する項目で、BMI値などから肥満による生活習慣病の可能性を診断されます。

腹囲の測定は、以下のいずれかに該当する方は省略が可能です。

  1. 40歳未満(35歳を除く)の方
  2. 妊娠中の女性などで、腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映し ていないと診断された方
  3. BMI(BMI=体重(kg)/身長(m)^2)が20未満の方
  4. BMIが22未満の方で、自ら腹囲を測定し申告した方

参考:H10.6.24労働大臣告示第88号

④胸部エックス線検査と喀痰(かくたん)検査

胸部エックス線検査はいわゆるレントゲン検査で、肺や心臓などに異常がないかどうかを検査します。

ただし厚生労働省の出している基準では、40歳未満の方で、以下のいずれにも該当しなければ省略が可能とされています。

  • 20歳、25歳、30歳、35歳の節目を迎える人
  • 感染症法で結核に係る定期の健康診断の対象とされている施設等で働いている人
  • じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている人

参考:H10.6.24労働大臣告示第88号

また喀痰検査は、痰を検査することで肺がんの早期発見に繋がる大切な検査です。

喀痰検査は、以下のいずれかに当てはまり医師が必要でないと判断した場合には、省略できます。

  • 胸部エックス線検査を省略された人
  • 胸部エックス線検査によって疾病が発見されない人
  • 胸部エックス線検査によって結核発病のおそれがないと診断された人

参考:H10.6.24労働大臣告示第88号

⑤血圧の測定

高血圧か低血圧か、収縮期(上)と拡張期(下)の血圧を測定します。

判断基準は、収縮期(上)が130未満、拡張期(下)が85未満とされており、高血圧症や低血圧症、動脈硬化などの異常を判断します。

⑥血液検査・貧血検査

血液検査を行うことで、臓器に障害を抱えている場合にその症状を判断できます。

また血液中の赤血球の数やヘモグロビンの量、濃度を検査することで、貧血の検査をできます。

血液検査は35歳を除いた40歳未満の方は、医師の判断で省略が可能です。

⑦肝機能検査

肝機能検査では、AST、ALT、γ-GTPの値を血液から検査し、肝機能の障害を診断します。

ASTとALTは心臓や肝臓に多く含まれる酵素で、数値が高い場合、急性肝炎やアルコール肝炎などの症状が疑われます。

ASTの数値のみが高い場合は、心筋梗塞や筋疾患などが疑われます。

またγ-GTPは、肝臓に異常がある場合に数値が上昇し、アルコール性肝障害や慢性肝炎などの症状が疑われます。

肝機能検査は35歳を除いた40歳未満の方は、医師の判断で診断を省略することが可能です。

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ASTの値は心臓、ALTとγ-GTPは肝臓に原因があると整理しておくと良いですよ。

⑧血中脂質検査

血液中に含まれるコレステロールの割合を調べ、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの疑いを調べます

数値が高い場合は上記の症状が疑われますが、数値が低すぎる場合、肝硬変などの症状が疑われます。

血中脂質検査も、35歳を除いた40歳未満の方は、医師の判断で検査を省略可能です。

⑨血糖検査

血糖検査は、血液中のブドウ糖の量を調べる検査で、糖尿病の疑いを調べます

ブドウ糖は炭水化物などから摂取できるので、検査当日に食事をとってしまうと正しい数値を測ることができません。

検査当日の朝食は食べないように病院から指示があるので、空腹の状態で検査を受けるようにしてください。

血糖検査も、35歳を除いた40歳未満の方は、医師の判断で検査を省略可能です。

⑩尿検査

尿検査では、尿に含まれる尿糖やタンパク質の検査を行うことで、糖尿病の疑いや腎臓系の機能に異常がないか検査を行います。

タンパク質は、過労や発熱によって出ることもありますが、異常な数値が出た場合、腎炎や糖尿病性腎症などが疑われます。

⑪心電図検査

心電図検査では、電気信号を利用して心臓が正常な働きをしているか検査します。電気信号の異常から考えられる疾患を判断し、心臓の異常や病気の発見します。

心電図検査も、35歳を除いた40歳未満の方は、医師の判断で検査を省略可能です。

転職時の健康診断にかかる費用はどのくらい?

転職時の健康診断にかかる費用はどのくらい?
  • 健康診断にかかる費用は1万円前後
  • 健康診断の費用は基本的に自己負担ではない
  • 健康診断にかかる費用の注意点

ここでは、転職時の健康診断ではどのくらいの費用がかかるのかご紹介していきます。

費用を誰が負担するのか、費用の注意点についても触れていきますので、参考にしてみてください。

健康診断にかかる費用は1万円前後

転職時の健康診断にかかる費用は、病院によって幅もありますが、おおむね1万円前後と考えておけば問題ありません。

ただし、健康診断は保険の適用外なので、費用についても決まった料金の設定がありません。

そのため、費用を自分で負担する場合には、事前にどのくらいの費用がかかるか念のために確認しておくと良いですね。

相場以上に高い場合には、他の病院を検討してください。

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保険適用外なので、保険証は必要ありません。検査費用を自己負担した場合は、領収証を必ずもらってください。

健康診断の費用は基本的に自己負担ではない

転職時の健康診断の費用については、誰が負担するのか明確に規定がされていないので、転職者に費用負担を求める企業もあるようです。

安全衛生規則によると、健康診断の義務は課せられていますが、費用の負担者までは明記されていません。

事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

引用:安全衛生規則

しかし、健康診断は雇用主に課せられている義務なので、健康診断に必要な費用も雇用主が負担するという考えが一般的です。

第一項から第四項までの規定により実施される健康診断の費用については、法で事業者に健康診断の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものであること。

引用:労働省労働基準局長通達602号

費用負担については、転職先企業にしっかり確認しつつ、どちらが負担すべきか明確にして受診するようにしてください。

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転職時の健康診断にかかる費用は、基本的には企業が負担すると考えておいて問題ありません。

健康診断にかかる費用の注意点

健康診断の費用について、自己負担で受ける場合には以下の点に注意してください。

  • 必要な診断項目が網羅されている費用であるか
  • 複数の病院の費用と比較して相場通りの費用であるか

選考の途中で健康診断を求められた場合、自己負担となることが多いので、上記の点に注意して受診するようにしてください。

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選考途中の場合、まだ転職先に所属していないので、費用も転職者負担となることが多いようです。

転職時に必要な健康診断書が発行されるまでの期間

健康診断書が発行されるまでの期間
  • 検査にかかる時間は約1時間程度
  • 健康診断書の発行には1週間程度

ここでは、健康診断に要する時間と、診断書の発行にかかる期間をご紹介していきます。

どのくらいの期間がかかるか事前に把握しておき、診断書の提出期限に間に合うように受診してください。

検査にかかる時間は約1時間程度

転職時の健康診断では、検査項目が多いため時間がかかるように思われがちですが、一般的には約1時間程度で終了します。

ただし、年齢によっては検査項目が増える場合もあり、1時間から長くても3時間くらいの検査時間を見積もっておくと良いですね。

また、2月〜4月の時期は新入社員の検査も重なるため、混雑が予想されます。

転職の時期にもよりますが、早めに健康診断を受けてしまい、混雑する時期を避けると良いかもしれません。

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月末や週末なども、比較的混雑しやすいタイミングなので、避けた方が安全です。

健康診断書の発行には1週間程度

診断書が発行されるまでの期間は、病院によっても異なりますが、1週間程度を見積もっておくと良いですね。

混雑する時期の場合、発行までに1ヶ月程度かかる場合もあるので、事前にどのくらいの期間がかかるか確認してみてください。

病院によっては当日に発行してくれるところもありますが、余裕を持って書類が揃えられるように、早めに受診して準備しておくことがおすすめです。

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発行までに時間がかかり、提出期限に間に合わない場合は、転職先企業へ事前に相談するようにしてください。

転職時の健康診断に引っかかると採用取り消しになる?

転職時の健康診断でもし異常が見つかった場合、採用に影響が出るんじゃないかと不安に感じることもあるのではないでしょうか。

ここでは、転職時の健康診断で異常が見つかった場合についてご紹介していきます。

健康診断に引っかかっても基本的には採用取り消しにならない

転職時の健康診断で異常な項目が見つかったり、再検査や精密検査を受けるよう通知された場合でも、基本的に採用取り消しにはなりません

雇用主は、あくまでも雇い入れ時の法律上の義務を果たすだけなので、診断結果を踏まえて採用・不採用の判断をすることはありません。

ただし、例えばドライバーの仕事など、健康状態が仕事に大きな影響を与えるような職業の場合、健康診断の結果が合否に影響することもあるようです。

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厚生労働省では、転職時の健康診断の結果を採用・不採用の判断に使ってはいけないことを規定しています。

厚生労働省の「公正な採用選考を目指して」をご参照ください。

健康診断に引っかかったら落ち着いて再検査を受ける

健康診断で再検査や精密検査を受ける必要がある場合は、落ち着いて受診するようにしてください。

企業は健康診断書の提出があれば問題はないので、再検査や精密検査の受診を促すことはありません。

しかし健康上の問題を背負ったままでは、転職先で仕事に集中できなくなってしまいます。

再検査や精密検査の受診はあなた自身の判断に任せられますので、しっかりと受診して健康上のリスクを取り除いた方が良いですね。

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企業としては、健康診断書が提出されていれば問題ないので、再検査を受けるかどうかは自分で判断する必要があります。

再検査の費用については会社に相談する

再検査は、転職時に必要な健康診断ではないので、企業側も受診させる義務はありません。

そのため、再検査を受けるかどうかはあくまで社員の判断に任されるので、費用も個人の負担となるケースが多いようです。

ただし、転職先の企業によっては、独自の基準で再検査に要した費用を負担してくれる場合もあります

再検査を受診するなら、転職先の企業に費用についてどうするか確認したうえで、受診すると良いですね。

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分からないことがあれば、転職先の企業としっかりコミュニケーションをとって、明確にしながら手続きを進めてください。

転職時の健康診断についてよくあるQ&A

ここでは、転職時の健康診断について、よくあるQ&Aをまとめましたので参考にしてみてください。

提出期限に間に合わない場合はどうしたらいいの?

診断書の提出が期限に間に合わない場合は、事前にその旨を企業に伝えて、入手でき次第提出するようにしてください。

提出日の当日に「間に合いません」と伝えたり、何も伝えずに期限後に提出したりするようなことは避けてください。

期限後の提出でも採用に影響はありませんが、不誠実な対応をしてしまうと、入社後の評価に影響するかもしれません。

余裕を持って書類を準備し、仮に間に合わない場合には、誠実な対応を心がけてください。

診断結果がなかなか届かない場合はどうしたらいいの?

診断結果は、通常であれば遅くても1週間程度で届くのが目安です。

そのため、1週間を超えても届かない場合には、一度受診した病院等に連絡を入れて、どのくらいで結果が出るか確認してください。

混雑が予想される時期の場合、1ヶ月程度の期間を要する場合もあります。

提出期限も決まっていますので、診断結果の時期を病院等に確認し、提出期限後の提出になる場合には、転職先に早めに連絡してください。

転職時の健康診断は必須なのでしっかり確認して受診しよう!

本記事のまとめ

<提出する理由>

  • 転職時の健康診断書の提出は、法律上、雇い主に義務付けられている

 

<受診する施設と費用>

  • 転職時の健康診断は、指定の施設で受診するのが基本。指定されていない場合は、総合病院等で受診する
  • 費用は会社負担が基本だが、自己負担となる場合もある

 

<診断結果>

  • 受診すべき項目は11項目あるが、受診を免除される項目もある
  • 健康診断の結果は、採用には影響しない

転職に伴い必要となる書類は多数ありますが、準備するのに時間が必要な書類の一つが、健康診断書です。

診断書の発行までに要する時間を考慮しながら、提出期限に間に合うように準備してください。

またスムーズに診断を受けるためにも、費用負担をどうするのか、どのような項目を受診すべきか事前に把握しておくのがおすすめです。

本記事を参考に、転職時の健康診断についての内容を把握しておき、転職後の手続きをスムーズに進めていきましょう!