
希望年収は転職先を決めるための大切な基準。希望年収を達成するために転職する方もいると思います。
しかし、年収の話題を積極的に話すことに抵抗を感じ、以下のような疑問を持っていらっしゃるのではないでしょうか。
- 希望年収ってどうやって決めるの?
- 希望年収は面接で伝えても良いの?
そこで本記事では、転職での希望年収について、決め方から面接での伝え方まで解説していきます。
転職で希望年収を達成したいのであれば、きっと参考になるので、ぜひご一読ください。
目次
転職での希望年収はどうやって決めるべき?
- 現状維持か高めに設定してもOK
- 希望年収は根拠づけるスキルも一緒に決める
まずは、転職で希望する年収をどうやって決めるべきか、希望年収を決める際のポイントを確認していきます。
現状維持か高めに設定してもOK
転職によってどのくらいの年収を実現したいのか、これまでの実績やスキルによって具体的な金額は異なりますが、現職と同額か少し高めに設定しておくのがおすすめです。
ただし、あまりに高い希望年収を設定してしまうと、以下のようなネガティブな結果にもなりかねないので注意が必要です。
- 企業が確保している採用予算をオーバーしてしまう
- 結果も出していないのに非常識と思われてしまう
ワークポートが行った調査によると、現在の年収と希望年収との開きに対して、採用担当者の約6割が気にすると回答しています。
引用:ワークポート
あくまで、どのくらいの年収を希望するか設定する段階なので、採用担当者の印象も考慮しつつ希望年収を設定しておくと良いですね。
また、希望年収は実績やスキルと合わせて伝えられると説得力があるので、次の節でご紹介しているように、根拠となるスキルも整理しておいてください。
希望年収は根拠づけるスキルも一緒に決める
根拠となるスキルと合わせて希望年収を決めておくと、説得力高く希望年収を説明できるようになります。
年収の金額は、仕事の結果や実績の報酬として決まるものなので、なぜその年収を希望するのか、根拠を示して説明する必要があります。
当然、高い年収を希望するなら、それに見合ったスキルや経験が求められるので、希望年収を裏付ける根拠を示すことが大切です。
面接などで希望年収を質問された際に、根拠を示して希望年収が伝えられるように、金額だけでなく、根拠も一緒に決めておくようにしてください。
以下に、希望年収の具体的な根拠の例を掲載しておくので参考にしてみてください。
希望年収の根拠 | 具体例 |
---|---|
市場価値のあるスキルや経験 |
|
転職時には履歴書に希望年収を記載すべき?
- 履歴書には書かない方が無難
- 具体的に伝えるなら面接に進んでから
- エントリー段階で入力フォームがあるなら記載する
基本的には、履歴書に希望年収を記載すべきではありませんが、その理由と、伝えるべきタイミングについて、以下でご紹介していきます。
履歴書には書かない方が無難
履歴書には、本人希望欄としてフリーのスペースが設けられていますが、希望年収は記載しない方が無難です。
履歴書に希望年収が記載されていることで、
- お金のことしか考えていない?
- 採用予算より高いな…
など、マイナスな印象を与えてしまうと、面接に進める可能性を下げてしまいます。
年収の金額が転職先を決める絶対的な条件でない限り、履歴書に希望年収を記載するのは控えた方が良いですね。
具体的に伝えるなら面接に進んでから
履歴書には記載せず、面接の段階で具体的に伝えるのが良いタイミングですね。
転職後の年収は、これまでの経歴やスキルが根拠となるので、書面では伝わりにくい部分があります。
面接の場で、これまでの実績とこれからの仕事に対する意欲を伝えつつ話をした方が、金額の妥当性が伝わりやすいですね。
話すタイミングとしては、面接の最後の質問の場であったり、面接官が全ての質問を終えたタイミングが良いです。
なお、面接での年収の伝え方は「転職の際に面接で希望年収を聞かれたときの答え方のポイント」でご紹介しているので、参考にしてみてください。
エントリー段階で入力フォームがあるなら記載する
企業へのエントリーの段階で、希望年収の入力フォームなどが設けられていれば、具体的な金額を記載して問題ありません。
記載する金額は、交通費などを含めない金額で記載するようにします。
採用担当者も「希望年収」の話をするときは、交通費などを含めない金額を前提に話をするので、合わせる必要がありますね。
なお、求人欄などに記載されている「年収」の金額は、交通費などを「含む」総支給額で掲載されています。
総支給額からどのくらいの手取り額になるかも考慮しつつ、希望年収を記載するようにしてください。
転職の際に面接で希望年収を聞かれたときの答え方のポイント
- 貴社の規定に従う姿勢が基本
- 希望する年収は伝えるが謙虚な姿勢を大切にする
- 入社後どのように貢献できるか具体的に伝える
ここでは、面接にて希望年収を聞かれた時の答え方をご紹介していきます。ポイントを押さえつつ、どのように伝えるのが良いか参考にしてみてください。
貴社の規定に従う姿勢が基本
ポイントの一つ目は「貴社の規定に従います」という姿勢が基本となることです。
自分の希望年収を積極的に話す求職者に対して、良い印象を持つ採用担当者はあまり多くありません。
求人票に記載されている金額の範囲で、規定された金額に従いつつ、アピールできるスキルや実績などを示せると良いですね。
以下に、面接での希望年収の伝え方を掲載しますので、参考にしてみてください。
<例:貴社の規定に従います>
「現在の年収は〇〇万円でございます。基本的には貴社の規定に従うつもりではございますが、現職と同等かそれを下回らない額をご検討いただけますと幸いです。」
希望する年収は伝えるが謙虚な姿勢を大切にする
ポイントの二つ目は、希望する年収を具体的に伝えつつも謙虚な姿勢を大切にすることです。
年収の額が転職の条件となっている場合、面接でしっかり伝えないと「転職したが希望年収よりも低いので満足できない」ということにもなり兼ねません。
そのため、年収を転職の条件としているなら、面接で具体的な金額を伝える必要があります。
希望年収を伝える際に「希望する年収は〇〇円だが最低〇〇円は欲しい」と、希望年収に幅を持たせるのがおすすめですね。
以下に、具体的な伝え方を記載するので、参考にしてみてください。
<例:伝え方を意識する>
「希望年収は〇〇万円です。ただし、基本的には貴社の規定に従うつもりではございますが、最低でも〇〇万円は希望したいと考えております。」
入社後どのように貢献できるか具体的に伝える
ポイントの三つ目は、希望年収を裏付けるためにも、入社後どのように貢献できるか具体的に伝えることです。
年収は、転職先企業に貢献した結果としてもらえるお金なので、希望年収の額だけを伝えても、そもそも採用してもらえません。
具体的にどう貢献できるのか、その結果としてどのくらいの年収を希望するのか、希望年収の根拠をしっかり説明できるようにしてください。
根拠をもって希望年収を伝えることで、採用担当者もしっかり汲んで検討してくれます。
<例:どのように貢献できるか具体的に伝える>
「現職での年収は〇〇万円でございます。
現職では、〇〇というプロジェクトに参加し、×人のメンバーのマネジメント全般に携わってまいりました。
また、プロジェクト参加後に××という資格を取得しております。
これまでの経験と取得した資格を活かし、御社のプロジェクトに貢献したいと考えておりますので、現在の年収以上をご検討いただけますと幸いです。」
転職の際に面接官が希望年収を確認する3つの理由
- 採用するための予算とマッチしているか確認するため
- 自分自身を客観的に自己評価できているか確認するため
- 希望年収とギャップを理由に早期退職を防ぐため
面接官が、求職者に希望年収を確認する理由を解説していきます。
採用するための予算とマッチしているか確認するため
希望年収を確認する理由の一つ目は、採用予算と希望する年収がマッチしているか確認するためです。
企業は、転職者一人に支給する年収を採用予算として組んでいますが、希望年収が予算を上回るなら、優秀な方でも採用を見送る可能性が出てきます。
面接にて求職者の希望年収を確認し、採用予算をオーバーしないかどうか確認し、採用の判断基準にしているんですね。
自分自身を客観的に自己評価できているか確認するため
希望年収を確認する理由の二つ目は、求職者自身が客観的に自己評価できているか確認するためです。
現職で高い年収を実現している場合でも、それは現職にたまたまマッチしたから実現できているだけであって、労働市場での評価とズレている場合もあります。
一方で企業側は、その企業の基準に基づいて求職者を評価し、年収支給額を決めています。
客観的な評価ができていないと、内定後に年収の額を巡ってトラブルとなる場合もあるので、企業側も求職者自身の評価を確認したいんですね。
希望年収とギャップを理由に早期退職を防ぐため
希望年収を確認する理由の三つ目は、希望年収より低いことを理由に早期退職してしまうことを事前に防ぐためです。
年収の額は、働くうえでモチベーションを維持する大切な要素です。
希望していた年収よりも実際の年収が低いと、モチベーションが下がり、退職や転職の理由となってしまいます。
実際の年収とのギャップを理由に早期退職とならないよう、面接段階で確認して、採用を判断する要因の一つにしているんですね。
転職時の面接で答えた希望年収は選考に影響する!?
面接で答えた希望年収は、選考に影響すると考えておいてください。
面接官が希望年収を確認する理由は、上記でお伝えしたとおりですが、採用予算を大きくオーバーするような希望年収の場合、採用を見送られてしまいます。
そのため、希望する転職先の年収相場を求人票などから把握しておき、質問されたら答えられるように準備しておくと良いですね。
ただし、求人票に記載されている給与や待遇などは形式的なもので、企業の実際の事情を把握することは困難です。
そのため、転職エージェントを活用して情報収集するのがおすすめです。
次の章で、転職活動時に登録しておきたいおすすめの転職エージェントをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
転職時の希望年収を交渉するなら転職エージェントがおすすめ
リクルート エージェント | パソナ キャリア | doda | |
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![]() | ![]() | ![]() | |
求人数 | ![]() 約20万件 | ![]() 約4万件 | ![]() 約10万件 |
求人の年収 | ![]() 300万円~ | ![]() 200万円~ | ![]() 300万円~ |
サポートの質 | 初めての転職から キャリアアップまで 幅広くサポート | レスポンスが早く 転職がスムーズ | アドバイザーの質が高く 利用者の満足度も高い |
地域 | 日本全国 海外 | 日本全国 海外 | 日本全国 海外 |
企業との年収交渉を進めるのは、個人では非常に難しいです。
しかし、年収がどのくらいかは転職先を決める大切な基準であり、入社後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、事前に確認しておきたいですね。
そこでおすすめなのが転職エージェント。アドバイザーが年収交渉を代わりにすすめてくれるので、おすすめです。
希望年収を叶えるために年収交渉を進めてくれる、おすすめの転職エージェントを以下で紹介していきます。
リクルートエージェント
- アドバイザーの経験が豊富で、企業との交渉力が高い
- 優良な求人を扱っているので、交渉余地のある求人に出会える
- 求人数が業界No.1なので、希望年収を満たす求人が見つかる
リクルートエージェントは、取り扱い求人数が約20万件と、業界でも最大手の転職エージェント。
在籍しているアドバイザーは経験と実績が豊富で、交渉力も高いので、転職先企業との年収交渉をしっかり行ってくれます。
リクルートエージェントを利用して、しっかり年収交渉してもらうことで、希望の年収を実現できる可能性がアップしますね。
求人数も豊富に扱っているので、希望する条件の求人に出会える可能性も高くなります。
希望年収を実現したいなら、リクルートエージェントに登録して、質の高いアドバイザーのサポートを受けるのがおすすめです。
パソナキャリア
- 転職後の年収アップ率が約7割なので、希望年収が実現できる可能性が高い
- 丁寧に面談してくれるので、希望の条件を把握して転職支援してくれる
- パソナ独占求人があるので、他では見つからなかった求人が見つかる
パソナキャリアは、人材派遣大手のパソナグループが展開する転職エージェント。
アドバイザーのサポートが丁寧でレスポンスも早く、転職が初めての人でも安心して利用できると評判の転職エージェントです。
パソナキャリアを利用して転職した人の約7割が年収アップを実現しているので、希望年収を実現するための交渉力は高いといえます。
アドバイザーとの面談では、90分〜120分と、他のエージェント以上に時間をかけて行うので、希望する条件や待遇をきちんと把握してくれます。
丁寧なサポートで安心して転職活動を進めつつ、自分の希望する年収を実現したい人におすすめの転職エージェントです。
doda
- スカウトサービスが利用できるので、希望年収を満たす企業からのオファーが届く
- イベントで採用担当者と話せるので、実際の年収相場を把握できる
- アフターフォローがしっかりしているので、内定後もしっかり交渉してくれる
dodaは、求人サイトやスカウトサービス、転職エージェントなどを幅広く展開する、総合人材サービスです。
転職エージェントを利用せず自分のペースで転職活動を進めたいなら、スカウトサービスがおすすめ。
自分の希望年収を満たす企業からのオファーを待つだけなので、手軽に転職活動を進められます。
また、しっかりサポートやアドバイスを受けながら転職活動を進めるなら、転職エージェントに登録してください。
求人紹介から転職活動のフォローだけでなく、内定後の年収交渉もあなたの代わりに行ってくれます。
転職活動の進め方に合わせてサービスが選べるので、幅広い方におすすめのサービスです。
転職時の希望年収についてよくある質問
希望年収に関してよくある質問をまとめています。参考にしてみてください。
希望年収の目安はどのくらい?
業界や職種によって異なりますが、どんなに高くても、現職の年収にプラス50万円くらいの範囲が妥当といえます。
年収にプラス50万円だと、月の給料に約4万円を上乗せした金額で、一般的にはかなり大きな待遇アップです。
ただし、求人票に記載されている年収が企業側の想定している金額なので、あまりかけ離れた金額にならないように注意が必要です。
希望年収をメールで伝える時の伝え方を教えて!
希望する年収を伝える場合、具体的な金額や交渉はメールで行わないように注意が必要です。
メールで連絡する場合は「希望年収について相談させて欲しい」という内容に留めるのが良いですね。
具体的な金額の交渉などは、人事担当者の方と実際にお会いして伝えるようにしてください。
それを踏まえて、以下に参考の文面を掲載しておきます。
<例:金額交渉をしたい旨を伝えるメールの文面>
株式会社○○○○
人事部 採用担当 ○○様
お世話になっております。××と申します。
このたびは内定通知を頂き、誠にありがとうございました。
面接にて御社のビジョンを詳しく伺えたことで、御社の事業発展に貢献すべく、今からやる気に満ちている次第です。
さて、大変恐縮ながら、先日ご提示いただいた年収額についてご相談させていただきたく、この度ご連絡させて頂きました。
前職では、〇〇というプロジェクトに参加して、△人のマネージメントを行って参りました。
その結果、業務効率化と業績アップを果たし、会社の売り上げに貢献した実績がございます。
今回、内定を頂いたポストにおいても、前職での経験を活かして御社にしっかり貢献できると考えております。
ご多忙の中、大変恐縮なお願いではありますが、年収額についてご相談させていただく機会をいただけないでしょうか。
勝手なお願いで大変申し訳ありません。
何卒ご検討いただけますよう、よろしくお願いいたします。
手取り額と総支給額のどちらで回答すべき?
希望年収を面接で質問された場合には、総支給額で答えるのが一般的です。
企業側は、採用する予算として、転職者一人当たりの年収を総支給額で準備しています。
そのため「年収」と言われたら「総支給額」という考えがありますので、それに合わせて話をすると、認識のズレが生じません。
手取りの金額で希望年収を考えているなら、答えるときも「手取りの年収で」という一言を付け加えるようにしてください。
転職を成功するためにも希望年収を準備しておこう!
- 希望年収は現職より高めに設定しても良いが、応募書類には記載しない
- 面接で質問された時は「貴社の規定に従う」という姿勢で答えるのが基本
- 希望年収を伝える時は、どのように貢献できるかを具体的に伝える
- 企業が希望年収を質問する理由はいくつかあるが、採用を判断する基準としている
- 希望年収を実現するためにも、転職エージェントを利用して効率を上げる
希望年収を実現できるかどうかは、転職先を決定する際の基準にもなり、転職における重要な要素といえます。
どのくらいの年収を希望しているかをきちんと伝えて、その年収を実現できる企業か判断したい、と考える転職者も多いかもしれません。
しかし、年収の額は、採用する企業側でも決まった予算が用意されており、それを超えてしまっては採用することができません。
採用を左右する大きな要因にもなるので、年収を企業と交渉するのは、個人では難しいといえます。
「希望年収を実現したい」「現職よりも年収アップしたい」と考えるなら、転職エージェントを活用してしっかり交渉するのがおすすめです。
本記事を参考に、希望年収をしっかり伝えられるように準備し「希望年収の達成」「年収アップ」を実現しましょう!