
いまや社会人にとって当たり前になりつつある転職!しかし、年齢が理由でなかなか転職の一歩を踏み出せない方もいると思います。
近年は、年齢制限なくスキルや経験を重視し採用する企業も増えてきています。
一方「転職をするのに年齢って関係あるの?」や「年齢に関係なく転職を成功させる秘訣を知りたい」などの疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、年齢によらず転職活動を成功させるためのノウハウをご紹介します。年齢を重ねている方でも転職を成功させる可能性を高められるかと思いますので、ぜひご一読ください!
目次
転職をするのに年齢の限界はない
結論から述べると、転職をするのに年齢の限界はなく何歳であっても転職ができます!
なぜならば転職の年齢制限は法律で決まっている訳ではありませんし、40代・50代向けの求人サイトもあるためです。
40代・50代向けの求人サイトがあるということは、40代・50代の人材を求める企業があるということです。
現在は転職をすることでキャリアアップを図る方が増加しており、転職が成功する平均年齢が年々、高くなってきています。
また少子化によって若い人材を確保することが難しくなっていることも転職に年齢制限がなくなってきている背景にあります。
重要なのは年齢ではなく専門知識や実績
転職をする際には年齢ではなく、専門知識や実績を重視する傾向にあります。
理由は以下の通りです。
- 少子高齢化によって企業が若い人材を確保しにくい
- 専門知識や実績があると教育コストが比較的かからない
転職率が高く、教育コストがかかる新人ではなく即戦力を積極的に採用しようとする企業も出てきています。
年齢は問わず、スキルや実績がある即戦力になれる人材を欲している企業が増えているのです。
女性は結婚や出産の関係で転職時に年齢の影響を受けやすい
女性は男性と異なり、結婚や出産の関係で転職時に年齢の影響を受けやすくなります。
結婚や出産をすることにより現場を離れる期間が長くなりますし、そのまま退職する可能性があるためです。
子育てと仕事を両立できる仕事を探すとなるとそもそも選択肢が狭まるという理由もあるようです。
企業としては採用した人材には長く企業に勤めて欲しいと願いますし、できるだけ長く勤めてくれる人材を採用したいと考えています。
目安としては30歳を過ぎたあたりから、転職活動が難しくなる傾向にあります。
そのため正社員ではなく、パートやアルバイトといった比較的時間を自由に使える勤務形態で働く女性が多いです。
男性であっても年齢を重視する企業は存在する
これまで転職では年齢ではなく、重要なのはスキルや実績と述べてきましたが、男性であってもまだまだ年齢を重視する企業は存在します。
現に28歳、32歳、35歳で転職限界説が唱えられています。背景として以下の理由が挙げられます。
- 企業は上司が年下にならないよう配慮しており、若い人を入社させる必要があるため
- 定年までの期間が短く、キャリアを積める時間が他よりも短いため
- 専門知識のみならずマネジメントスキルなど求められるスキル・経験が高くなるため
また上記の理由によって、年齢制限を設けている企業もあります。あくまでもスキルや実績を重視する企業が増えているだけであって、年齢を気にしない企業ばかりという訳ではありません。
転職活動をする際は、ここでご紹介した内容も加味して転職活動をしてください!
転職成功者の平均年齢は増加傾向にある!
ここでは転職成功者の平均年齢を確認しながら、どのように転職成功者の平均年齢が推移しているのか確認していきます。転職活動をする目安にしていただければと思います!
転職を成功させた人の平均年齢は31.7歳
出典:doda
大手転職情報サイトであるdodaによると、2019年上半期(1月〜6月)に転職した人の平均年齢は31.7歳となっています。
性別毎に転職成功者の平均年齢を見ると、以下の通りです。
男性:32.6歳 女性:29.8歳
上記を見ると、女性よりも男性の方が転職成功者の平均年齢が3歳ほど高いことが確認できます。
女性は育児や結婚などライフスタイルの変化を受けやすいため、男性よりも平均年齢が低いのだと予想されます。
年齢に関係なく転職する人が増えている
転職成功者の平均年齢は、2007年下半期から2019年上半期の12年ほどで2.5歳ほど上昇しています。年齢を重ねている方の転職成功率が高まっている(※)ことが分かります。
転職成功者の平均年齢のグラフを見ると、年々平均年齢が高まっており、今後も上昇の一途を辿ることが予想されます。今後さらに転職に年齢が関係なくなっていくかもしれません。
年齢別の転職事情と求められるスキル
ここでは、年齢別の転職事情と求められるスキルをご紹介します。
自身の年齢と重ね合わせながら、自身の年齢に求められるスキルを把握し、転職活動を優位に進めていただければと思います。
20代は転職成功者が最も多い年齢
出典:doda
20代は転職成功者が最も多く、転職を志す方が多い年代です。上記のdodaの転職成功者の年齢割合のグラフを見ると2019年上半期では20代の転職成功者は全体の49.7%を占めていることが分かります!
キャリア形成の面で20代は探索期と呼ばれ、さまざまな仕事をこなし自身の興味関心にあった仕事を絞り込んでいく段階です。
そのため、多くの経験をするべく転職をする方が多いのだと予想されます。
実際に第二新卒と呼ばれ、一度就職をするも数年で退職し、再度、転職活動をする求職者を積極的に採用する企業もあります。
特に25歳〜29歳の、一度、社会人経験をした年代の転職成功者が多いです。
20代はポテンシャルが求められやすい
20代は企業からポテンシャルを求められ採用をされます。若ければ若いほど知識に対しての吸収率や将来性、やる気などが高いためです。
知識がなく未経験であっても、教育次第でいかようにも成長できる年代です。
そのため即戦力というよりも、若さやポテンシャルを前面に押し出すことで採用してくれる企業が多くあるのです。
30代で転職するには35歳以下がオススメ
30代で転職を考えている方は35歳以下で転職をすることをおすすめします。
dodaによる転職成功者の2019年上半期の年齢割合(※)を見ると、30〜34歳の転職成功者の割合と35歳〜39歳の転職成功者の割合が半分ほどに減少するためです。
30歳〜34歳の転職成功の割合は23.1%、35歳〜39歳は12.8%となっています。もちろん35歳〜39歳であっても転職を成功させている方はいます。
35歳という年齢制限を設けている企業が多くあり、30代で転職を考えているのであれば少しでも早いうちの行動をおすすめします。
参考サイト: doda:転職成功者の年齢調査(2019年上半期)
30代は即戦力となる専門性が必要
30代となると20代のポテンシャル採用ではなく、即戦力として活躍が期待できる人材を採用しやすくなります。
30代は20代よりも教育コストが低く、すぐに企業の戦力となりやすい人材であるため、求める企業は多くあるのです。
人材を教育するとなるとコストも時間もかかります。また手間隙かけて教育をしても転職されてしまいます。
その点、30代は仕事の流れがわかり、1人である程度の業務をこなせる人材であるため、ポテンシャルというより専門性を身に付けた即戦力であるかを求められるのです。
40代での転職はスキルや経験がかなり求められる
40代で転職をすることは可能ですが、スキルや経験を兼ね備えていないとかなり転職は厳しくなります。
40代で転職となるとそれなりの役職につくことが多く、企業側としても比較的多くの給料を支払わなければいけないためです。高い給料に見合う、スキルや経験があるのかは非常に重要です。
また他の年代の求人と比べると求人数も少なくなるので、自身で応募の幅を狭めず求人を探すことも重要になります。
40代は高い実績および専門性、マネジメント力が必要
40代は高い実績や専門性はもちろんのこと、マネジメント力も求められます。40代で転職すると管理職などの役職がつくことが多いためです。
管理職では今まで培った専門性や経験にプラスして、部下の育成やチームのマネジメントが必要不可欠になります。
マネジメント能力は簡単に身に付くものではないため、前職でマネジメント経験をしていると転職活動を有利に進められますよ!
未経験から異業種への転職に年齢制限はあるの?
転職者の中には、未経験である異業種への転職を試みる方もいると思います。。ここでは、異業種に転職する際に年齢制限があるのかどうかご説明いたしますね!
異業種であっても転職に年齢制限はない
異業種であっても、転職に年齢制限はないです。
転職には専門性を求められるだけではなく、マネジメント能力や他の業種で身に付けた能力を生かせるケースもあるためです。
未経験での異業種への転職は、20代後半まではポテンシャルを見越して採用されやすいですが、年齢を重ねるほど異業種への転職が難しいことは事実になります。
異業種への転職は、マネジメント能力やコミュニケーション能力、課題解決力などのポータブルスキルが重要です。ポータブルスキルとは、業種や職種が変わったとしても使えるスキルを指します。
そのため未経験で異業種への転職であっても年齢制限はなく、スキルや経験が必要だといえます。
未経験での転職のしやすさは業界による
未経験で異業種に転職をする際の転職のしやすさは、業界によって異なります。
業界によって、未経験歓迎の求人数に違いがあるためです。転職エージェントのマイナビジョブ20’sによると(※)、求人の60%以上が未経験歓迎求人だといわれています。
そのうち「美容・ブライダル・ホテル・交通」「販売・フード・アミューズメント」は未経験歓迎求人率が高く「医療・福祉」の未経験歓迎求人率が低くなっています。
未経験求人率を数字で見ると以下の通りです。
- 美容・ブライダル・ホテル・交通:100%
- 販売・フード・アミューズメント:92%
- 医療・福祉:18%
上記のようになっています。
そのため異業種への転職を考えている方は、業界の未経験歓迎求人率を確認するようにしましょう。
業界別に転職年齢の事情をご紹介!
ここでは、業界別の転職年齢の事情をご紹介します。自身が目指している業界と照らしわせ実態を確認して見てください。それでは見ていきましょう!
公務員は試験によって年齢制限がある
公務員で転職をしようと考えている方は年齢制限が設けられるケースがある(※)ので、年齢制限を確認して転職活動をするようにしましょう。
国家公務員試験は受験資格の年齢に上限が設けられています。
公務員と言っても業務は多岐に渡り、受験する資格に違いはありますが、大体30歳を受講年齢の上限に設定しているケースが多くあります。
業務によって受講資格の年齢が異なるので確認していただければと思います。
民間企業から異業種の公務員への転職を考えいる方もいると思います。下記記事では民間企業から公務員に転職するためのノウハウを網羅していますので、ぜひ参考にしていただければと思います!

参考サイト: 公務員試験総合ガイド:公務員試験の年齢制限
大学職員の応募には年齢制限を設けている大学もある
大学職員に応募には、年齢制限を設けている大学もあります。
35歳を応募資格者の年齢制限の上限に設定している大学が多いです。大学職員は他の業種と比較しても、大変人気が高い業種です。
給与も良く、比較的自由に働けるということで定着率が高く、年齢層が高い傾向にあります。採用倍率も高く、なかなか転職が難しい業種です。
コンサルタントの転職は20代半ばから30代がメイン
年功序列ではなく実力主義の傾向にあるコンサルタント業界では、転職は20代半ばから30代で転職する方が多いです。他の業界と比べると転職成功率の平均年齢が低い傾向があります。
コンサルタント業界は若いうちに実力を身に付けやすく、さらに年収も高いため、非常に人気な職種です。
コンサルタント業界では、東大やMARCHなどの高学歴な方を採用する傾向にあります。
コンサルタント業界に務めることで若いうちから実力も身に付け、ゆくゆくは起業を考えている方も多いかと思います。
そのため、入社して業界に揉まれることに慣れ始めた20代半ばから30代の転職がメインで多いのだと考えられます。
IT業界のSE・プログラマーへの年齢制限は比較的ゆるい
近年、成長目覚ましい分野であるIT業界では年齢制限が比較的緩い傾向にあります。
IT業界では人材不足が深刻で2030年には、約79万人のIT人材が不足する(※)と言われているためです。IT業界は、人工知能やIoT、ビッグデータなど今後も需要が拡大することが予想されます。
そのため、IT業界のSEやプログラマーへの転職は他業界と比べてしやすいという特徴があります。
しかしIT業界では流行り廃りのスピードが早く、最前線で活躍をするには、常に最新の技術やトレンドをキャッチアップし続ける必要があるのです。
なので『向いている人材』と『向いていない人材』が分かりやすい業界でもあります。
※参考: IT人材白書:「IT人材白書2019」
建築・土木系は30代後半〜40代の転職成功率が高い
建築・土木系は、30代後半〜40代の転職成功率が他の業界よりも高い傾向にあります。
dodaの調べ(※)によると35〜39歳、40歳以上の転職成功者の年齢割合が40.4%と次に転職成功率が高い企画・管理系(35.9%)を大幅に引き離した数値を誇っているためです。
建築・土木系での転職は、施工管理技師や建築士といった資格の取得が必要です。
資格取得をしている方であれば年齢関係なく、採用されやすいため、30~40代の転職成功率が高いのだと考えられます。
その他業界の転職年齢事情
業界 | おすすめ転職年齢 | 備考 |
---|---|---|
外資系企業 | 20代後半〜40代前後 | 職種の経験年数や即戦力が求められる傾向にある |
美容部員 | 30代前半まで | 企業の戦略や客層から若い年齢の方に焦点があたりやすい |
税理士 | 20代後半〜40代前後 | 資格職のため、国家資格を取得していれば年齢にかかわらず比較的転職がしやすい |
監査法人 | 20代〜30代 | 公認会計士やUSCPAの科目合格が必要になる |
林業 | 30歳〜60歳 | 少子高齢化が深刻で60歳であっても若手と呼ばれる業界 |
CA(客室乗務員) | 30歳まで | 年齢制限を設けているエアラインが多い |
看護師 | 20代後半から30代半ば | 看護師には定年の概念がなく、遅いスタートからでも比較的就職しやすい業種 |
アパレル | 20代〜40代 | アパレル販売員の年代は、企業のブランドのコンセプトやターゲット層によって異なる |
ここでは上記で挙げた業種以外の転職年齢事情をご紹介します。
業界とおすすめの転職年齢を下記表にまとめていますので、参考にしていただければと思います。各業界の特徴を捉えられる内容になりました。
傾向としては、やはり20代後半〜30代前半頃が転職年齢が集中しており、その年代あたりでの転職を考えると良いかと思います。
年齢に関係なく転職活動を成功させるための3つのポイント
年齢に関係なく転職活動を成功させるためのポイントを3つご紹介します。
- 企業が求める人材の把握すること
- 待遇・条件ばかりを追い求めすぎないこと
- キャリアの棚卸しをしてアピールポイント整理すること
順に見ていきましょう。
企業が求める人材の把握すること
年齢に関係なく転職活動を成功させるためには、企業が求める人材を把握することが重要です。
年齢によって求められるスキルが異なり、自分の年齢にあったスキルをしっかり企業に伝えられるかがあなたの採用を左右します。
たとえば40代であってもポテンシャルを企業にアピールしたとしても、なかなか採用されないかと思います。
また企業が求める人材は、多くの場合求人サイトに記載してあります。転職をする際には、企業が求める人材を把握するための事前準備が必要不可欠です。
どれだけ準備をしたかで採用の結果を決めると言っても過言ではないため、しっかり準備をしておきましょう。
待遇・条件ばかりを追い求めすぎないこと
転職をする際に待遇や条件ばかりを追い求めすぎないようにしましょう。転職活動をしていると待遇の良い企業ばかりを追い求めすぎてしまう傾向にあります。
もちろん、良い企業を求めることは悪いことではありません。ですが、待遇や条件を追い求めれば追い求めるほど、求人数がガクッと減少してしまいます。
そして求人数が減少することは、あなたの転職の選択肢を狭めることに繋がります。
また転職に年齢制限はありませんが、年齢が高くなればなるほど、求人数が少なくなることは確かです。
転職に踏み切る年齢が高い方ほど、自身の選択肢を増やすためにも待遇や条件は二の次で求人を探すのも一つの方法です。
キャリアの棚卸しをしてアピールポイント整理すること
転職活動をするため、キャリアの棚卸しをしてアピールポイントを整理することは非常に重要です。
転職活動は事前準備がカギとなります。
- 前職でどのような業種でどのような業務を実施していたのか
- どのようなスキルや経験をしたのか
- その経験を転職先でどのように発揮できるのか
上記のようなポイントを綿密に計画し、整理しておきましょう。そうすることで書類の作成や面接の対策をスムーズに進めることができますよ!
アピールポイントを整理する際のポイントは、先ほども述べた企業が求める人材を把握することです。
自分のキャリアを整理したとしても、企業のニーズにそぐわないのであれば、採用されることは難しいためです。
転職結果を左右するポイントとしっかり認識し、アピールポイントそしっかりと練り上げ年齢制限に屈しない転職活動をしましょう。
転職をする際は年齢よりもスキルや実績が重視される!
この記事では、年齢によらず転職活動を成功させるためのノウハウをご紹介しました。
転職成功の平均年齢は年々、増加傾向にあり現在では31.7歳となっています。今後もますます転職成功の平均年齢が増加することを予想されます。
年齢制限に屈することなく転職活動を進めるために以下の3つを心がけてください。
- 企業が求める人材の把握すること
- 待遇・条件ばかりを追い求めすぎないこと
- キャリアの棚卸しをしてアピールポイント整理すること
また以下の年代別に求められるスキルも把握しておきましょう。
- 20代はポテンシャルが求められやすい
- 30代は即戦力となる専門性が必要
- 40代は高い実績および専門性、マネジメント力が必要
上記を意識し、年齢に負けない転職活動をしてください!