
薬剤師として働くうえで、病院への転職を考えることもあると思います。そんなとき、
- 病院薬剤師の業務ってどんな感じなんだろう…?
- どんな薬剤師が病院での勤務に向いてるんだろう?
- いまの自分が病院に転職ってできるんだろうか…?
など疑問に思うこともあるのではないでしょうか。そこで、この記事では薬剤師が病院へ転職するうえで知るべきポイントをすべてまとめました!
少しでも病院への転職を考えている場合は、ぜひチェックしてみてくださいね♪
目次
薬剤師が病院に転職する主な3つのメリット
- 専門的な調剤知識やスキルアップが期待できる
- 臨床医療に携わり、直接患者と向き合える
- チーム医療の現場で医薬品のプロとして働ける
まずは薬剤師として病院に転職する上記3つのメリットを、それぞれ詳しくお伝えします。
専門的な調剤知識やスキルアップが期待できる
病院薬剤師は専門的な調剤知識を学べ、さらにスキルアップが期待できます。
というのも病院の多くは、ほぼ毎日怪我や病気でたくさんの患者が来院します。さらには一般の診療所では診察しないような、がん治療や感染症の患者を受け入れることもあるんですね。
患者ごとの服用方法や副作用についても、薬剤師の知識が求められることがあります。
病院だからこそ求められる知識やスキルが多いんですね。そのため、病院で働くことでより専門的で高度な調剤スキルや知識を身につけやすいというわけです。
臨床医療に携わり、患者と直接向き合える
病院薬剤師は、臨床医療に携われるのも大きな魅力です。
もちろん実際に治療をするのは医師です。
ですが薬剤師は、患者が適切に薬を服用しているかを確かめたり、副作用を確認したりと、薬についてのより詳しい知識を求められます。
医師や看護師と比べるとそこまでしっかりと関わるわけではありません。
病院薬剤師が薬剤師のなかでも比較的人気の高い業種なのは、そういったやりがいの感じやすさが理由の一つでもありますね。
チーム医療の現場で医薬品のプロとして働ける
チーム医療を取り入れている病院では、薬剤師は医薬品のプロとして必要とされます。
適切な薬の投与や副作用の有無など、医師や看護師以上の薬の知識が求められます。
直接患者の命に係わることでもあるため、決して簡単な仕事ではありません。ですがその分、自分が必要とされているという大きなやりがいも感じられます。
薬剤師が病院に転職する3つのデメリット
- 他の業種と比べて年収が低い
- 夜勤や残業など、勤務時間が不規則なことが多い
- 人間関係が悪い場合がある
次に、薬剤師として病院に転職するデメリットについてお話します。大きく分けると上記の3つです。それぞれお伝えしていきますね。
他の業種と比べて年収が低い
病院の規模やエリアにもよりますが、病院薬剤師は調剤薬局やドラッグストアなどと比べて年収が低い傾向があります。
そのため、高収入を求める場合にはあまりおすすめできる業種ではありません。
つまり病院に転職するのであれば、年収が下がる可能性があるということは頭に入れておいた方がいいですね。
夜勤や残業など、勤務時間が不規則なことが多い
病院の場合、営業時間がしっかりと決まっているわけではありません。そのため、夜勤や残業など勤務時間が不規則な場合があります。
それでも病院へ転職したいという場合は、勤務時間について転職前にしっかり確認しておくのがおすすめです。
人間関係が悪い場合がある
人間関係の問題も無視はできません。
病院では、当然ですが薬剤師だけでなく医師や看護師も勤務しています。つまり調剤薬局やドラッグストアよりも多くの人と関わるということ。
特にチーム医療に取り組む場合では、医師や看護師との連携も非常に重要。この関係性がこじれてしまうと業務に支障もきたしかねません。
そのため、どちらかと言えばコミュニケーション能力に自信のある薬剤師や人と関わることが好きな薬剤師の方が向いている業種ですね。
それではどんな薬剤師が病院勤務に向いているのか、より詳しくチェックしていきましょう♪
【あなたはどう?】病院への転職がおすすめな薬剤師2つのタイプ
- 年収以上にやりがいやスキルアップを重視する人
- コミュニケーションをとることが好きな人
ここでは病院への転職がおすすめな薬剤師のタイプをお伝えします。基本的には上記2つのタイプが当てはまる薬剤師がオススメです。詳しくお話しますね。
年収以上にやりがいやスキルアップを重視する人
まずは年収よりもやりがいやスキルアップを重視する薬剤師です。前述もしましたが、病院薬剤師は比較的年収が低いことが多いです。
つまり、高い年収を求める場合はおすすめはできません。
求められる知識が多く業務自体はハードですが、それでもやりがいを感じやすいところが魅力なんですね。
年収よりも「患者と直接関わりたい」「より専門的な調剤スキルや知識を高めたい」という場合にはおすすめです。
コミュニケーションをとることが好きな人
2つ目はコミュニケーションをとることが好きな人です。
こちらも前述しましたが、病院では医師や看護師との連携が必要です。また、患者とのコミュニケーションも求められます。
そのため、人と触れ合うことが好きな薬剤師のほうがおすすめといえます。
病院への転職がおすすめできない薬剤師2つのタイプ
- 転職先に高収入を求める人
- 勤務時間の安定を望む人
それでは、病院への転職がおすすめできない薬剤師はどんなタイプなのでしょうか。大きく分けると上記2つのタイプです。
転職先に高収入を求める人
転職先に高収入を求める場合は、病院薬剤師はあまりおすすめできません。
一般的に薬剤師の年収の高さを比較すると「企業>ドラッグストア>調剤薬局>病院」とされています。
ただ、他の業種と比較するとどうしても低くなりやすいのが病院薬剤師です。
もしも薬剤師として高収入を求める場合は、以下の記事をあわせてチェックしてみてくださいね。

勤務時間の安定を望む人
勤務時間に安定を求める場合も、病院薬剤師はおすすめしづらくなってしまいます。病院薬剤師は残業や夜勤があるため、勤務時間が不規則になってしまうことが多いんですね。
勤務時間の安定を求める場合は、調剤薬局やドラッグストアのほうがおすすめです。
ですが24時間営業でない限り夜勤はないため、病院よりは安定しやすくなりますね。
【ここが大事!】薬剤師が病院へ転職する際に意識したい3つのチェックポイント
- 急性期病院か慢性期病院かによる業務の違いをチェック!
- 国公立病院か民間病院かによる業務や待遇の違いをチェック!
- 自分が馴染めそうな環境かどうかをチェック!
病院への転職をするまえにまず意識しておきたい3つのチェックポイントがあります。それが上記の3つ。それぞれ詳しくお伝えします。
急性期病院か慢性期病院かによる業務の違いをチェック!
まずは病院といっても、急性期病院と慢性期病院の二つに分けられます。
緊急性の高い病気やけがを中心に受け入れる病院。
患者の入れ替わりが激しく、扱う医薬品も多い。患者の容態が急変することもあり、処方する薬の変化も比較的多くなる。
緊急性は高くなく、長期の入院を目的とした病院。
患者の入れ替わりが比較的少なく、一人の患者と長く向き合えることも多い。落ち着いているものの、業務がマンネリ化してしまう可能性もある。
これらの違いを意識し、自分にどちらの環境が合っているかをチェックするのが重要です。
国公立病院か民間病院かによる業務や待遇の違いをチェック!
国公立病院か民間病院かというのも要チェックです。
国公立病院の場合は規模が大きく、福利厚生が充実していたりボーナスが支給されたりします。そのため、薬剤師の応募も多いのが特徴的です。
一方で民間病院では定期昇給がなく、福利厚生も病院によって異なります。そのため、待遇に関しては不安定なこともあります。
ただ、役職に就くことで収入が上がる可能性もあるため、転職前に確認しておくことがおすすめです。
自分が馴染めそうな環境かどうかをチェック!
環境に馴染めるかどうかも、働くうえで重要ですね。
薬剤師の場合、医薬品のプロではありつつも、病院では医師や看護師と比べると実は立場が低いことが多いんです。
そのため、環境によっては馴染めずに精神的にツラく感じてしまう可能性もあります。
実際に働かなければわからない部分ももちろんあります。それでも転職エージェントは職場環境について詳しい情報を持っている可能性もあります。
できる限り環境をチェックしておいたほうが、転職後に後悔せずにすみますね。
【未経験でも狙える!】病院への転職を成功させる3つのコツ
- 病院の規模にこだわらない
- 転職希望エリアにおける急性期病院・慢性期病院の求人の差を確認しておく
- 転職エージェントを利用する
それでは、病院への転職を成功させるコツを上記の3つに分けてお伝えします。ぜひ参考にしてみてくださいね。
病院の規模にこだわらない
特に未経験での転職の場合、病院の規模にこだわらないことも重要です。
というのも病院はまず求人数自体が少なく、あったとしても即戦力が求められていることが多いからですね。
経験が足りずに採用されない可能性も高いため、未経験では難しくなってしまうんです。
規模が比較的小さい民間病院では、決して転職は簡単ではないものの、求人が出ることはあります。
ただ未経験でも転職できるかどうかは病院にもよるため、情報収集はしっかりとしておくのが重要ですね。
転職希望エリアにおける急性期病院・慢性期病院の求人の差を確認しておく
転職を希望するエリアにおける急性期病院と慢性期病院の求人の差も要チェックです。一般的には急性期病院よりも慢性期病院のほうが求人は出やすいことがあります。
ですがエリアによっては急性期病院の求人が見つかる可能性もあります。
どちらも求人数自体は多くありませんが、常にアンテナを張って情報を集めるのがポイントですね。
転職エージェントを利用する
病院への転職には転職エージェントの利用を強くおすすめします。
転職エージェントの多くは、ただ条件に合う求人を紹介してくれるだけではありません。
一般的には公開されていない「非公開求人」を、転職エージェントに登録するだけで検索できるようにもなるんです。
つまり転職エージェントを利用していない人と比べ、病院の求人を早く見つけられる可能性があるということ。
そのため、他の転職希望者よりも早く求人を見つけて行動に移すことが転職成功への近道です。
すぐに転職したい場合はもちろん、少しでも病院への転職を考えているのであれば、求人を探すために登録だけでもしておくのがおすすめです!
さらに、いまの自分が病院に転職できるのかどうかも転職エージェントで相談可能。客観的に判断してもらうことでスムーズに転職活動を進めやすくなります。
病院への転職にオススメな薬剤師専門の転職エージェント4選
- 豊富な求人数と充実したサポートのマイナビ薬剤師
- 情報収集と素早い転職が可能な薬キャリ
- サポート力が好評のファルマスタッフ
- 大手ならではのサポートで素早く情報をキャッチ!リクナビ薬剤師
それでは、病院への転職を考えるならおすすめしたい上記4つの転職エージェントをお伝えします。
「どこに登録すればいいかわからない…」という場合はぜひ参考にしてみてくださいね。
豊富な求人数と充実したサポートのマイナビ薬剤師
マイナビ薬剤師は取り扱う求人数が比較的多く、もちろん病院の求人も取り扱っています。
拠点が多いことから対面での面談もしやすく「病院に転職できるのかどうかまずは相談したい」という場合でもおすすめです。
職場の雰囲気をできるだけ詳しく知りたい場合も利用する価値はありますね。
そのため、転職エージェントの利用を考えたときはまず登録しておきたい転職エージェントといえます。
情報収集と素早い転職が可能な薬キャリ
薬キャリは対応が比較的早く、スピーディな転職活動がしやすくなります。病院は比較的求人が少ないため、求人が出たら素早く行動するのがおすすめ。
つまり情報収集にも優れているんですね!
素早く情報を集めて素早く転職したい場合には薬キャリはおすすめです。
サポート力が好評のファルマスタッフ
ファルマスタッフは、基本的には調剤薬局への転職に強い転職エージェントです。ですが、病院の求人も取り扱っています。
サポートも丁寧と好評で、対面での面談も可能。まずは相談してみたいという場合には登録してみてはいかがでしょう♪
大手ならではのサポートで素早く情報をキャッチ!リクナビ薬剤師
転職業界大手である「リクナビグループ」が運営するリクナビ薬剤師。大手ならではのノウハウで素早い転職活動が可能です。
転職を急ぎたい場合にもおすすめです。取り扱う業種の幅も広いため、病院への転職を考えつつ他の業種への転職も視野に入れている場合はぜひチェックしてみてくださいね。
薬剤師が病院に転職する際のQ&A
ここでは、薬剤師が病院に転職する際のよくある質問とその回答を紹介していきます!
薬剤師が病院へ転職するのにおすすめな時期はいつ?
病院に転職するなら◯月!といった具体的な時期は特にありません。そのため常に求人をチェックし、求人があれば積極的に行動するのがおすすめです。
ですが、薬剤師の求人が出やすい時期や転職におすすめな時期はあります。詳しくは以下の記事をチェックしてみてくださいね。

薬剤師が薬局やドラッグストアなど他業種から病院に転職する際の注意点は?
病院と薬局やドラッグストアとでは、業務内容が大きく異なります。
前述したように臨床医療に取り組むこともあります。そのため、病院での業務内容を細かくチェックしておく必要があります。
自分で調べることはもちろん、転職エージェントを利用して詳しく情報を集めるのがおすすめです。
薬剤師が病院に転職する際の理由・志望動機はどう伝えればいい?
転職の理由はとにかくポジティブな理由を伝えるのが重要です。
「薬剤師としてスキルアップしたい」「医療の現場で知識を身につけて活かしたい」など、仕事への意欲を伝えるのもポイントです。
アピールできるスキルがあれば、それも積極的に伝えるのがおすすめ!転職の理由に関しては以下の記事もあわせてチェックしてみてくださいね!

病院の業務をチェックして後悔しない転職をしよう!
- 病院では医薬品に関して、より専門的な知識が求められる
- 臨床医療に携われてやりがいを感じやすい
- スキルアップしたい人にはおすすめ
- 求人自体は少なく、転職のハードルは高め
- まずは病院の規模にこだわらずに挑戦してみるのもアリ
病院薬剤師は、患者の薬の服用に直接関わることが多いです。そのため、責任も重大でプレッシャーも大きい職種です。
ですが、患者が回復していく様子を間近でみれたり、直接触れ合う機会もあったりと、やりがいを感じやすい仕事でもあります。
転職は簡単ではありません。ですが、病院薬剤師でなければできない経験も積めます。挑戦したいと思った場合は、しっかり情報を集めて行動してみるのがおすすめです!